本当に今更だけれど読んでみた、ビブリア古書堂シリーズ第1作。
既にこの本だけでも本が好き!には76本ものレビューがアップされているという人気作品で、シリーズの他の作品に関するものも含めると、かなりの数のレビューを読んでいるので、このシリーズに関しては自他共に認める“耳年増”になっていると思われた。
ヒロインの名前は篠川栞子、ビブリア古書堂の店主で近眼でメガネをかけている。
外見は色白で黒髪のストレートロングヘア、巨乳だそうだ。
本に関する知識は半端ではなく、本の話となると雄弁になるが普段は極度のあがり症で人と上手くしゃべることができないほどだ。
そんな彼女が安楽椅子探偵役で、彼女が本の知識を披露し謎ときをしてみせる相手で、ビブリア古書堂で働きはじめた狂言回し的語り手でもある五浦大輔は大柄で本を読むのが苦手な青年。
ほらね?読む前からかなりの情報通でしょう?
読者の間ではこれがラノベなのかどうかという論争(?)もあるらしいが、人物描写はさほど深くなく、そんな奴いないから!みたいな設定は想定内だし、そういう点にはあれこれと突っ込みすぎず、さらっと読み流せばいいのだろうとも思っていた。
だがしかし、この1冊を読み通すには想像以上の忍耐力が必要だった。
評判通り“せどり”をはじめ古本をめぐるあれこれはそれなりに興味深かったが、期待していた本をめぐるうんちくはさほど多くも深くもないように思われた。
とにもかくにも一番のネックは、このヒロイン像。
これもまた想定内であったはずなのだが……。
先行レビューでたびたび話題になっていたなんで「巨乳」である必要があるのか?という点は脇に置くとしても、頭脳明晰でひとたび本の話を始めれば人が変わったように雄弁になるという彼女が、普段は人見知りが激しく、すぐに赤面してたどたどしくしか話せないというのはいかにも不自然な設定だ。
頭が良くてははきはきしていてはだめなのか?
守ってあげたくなるところがなければこのテの話のヒロインにはなれないのか?
いや別に、私はいいのだ。
昔懐かしい昭和の香りのする少年漫画に登場するような、男性のご都合主義そのもののヒロインがいたって。
けれども今の時代にあって、このヒロインを“魅力的すぎる”と評する若い読者が多いことに、どうしても違和感を感じてしまうのだ。
そうぶつぶつと文句を言っていたら、真新しい本を抱えたアラエイ母が「まあ確かに、栞子さんの性格にはいろいろ問題があるとは思うけれど、その訳もね。この先読み進めていくと明らかになるのよ。」と訳知り顔をして言う。
さらに追い打ちをかけるように「おまけにこの6巻にはね。かもめ(=仮名)の好きな太宰がとりあげられているのよ。」と続けたのだ。
(お母さん、あなたまさか、娘を挑発してはいませんよね?)
確かに、栞子さんがものすごく大切にしているあの本は、貴重な本だというだけではなく、彼女のこれまでの人生に深い関わりのある思い入れがある品なんだろうし、あれこれと張り巡らされた伏線を、シリーズを通して徐々に回収していくのだろうとも思う。
そう考えれば再び太宰が登場するのもうなずける。
そうは思うが、なんだかねえ。
1巻を読み終わった時点で、その面白さがちっともわからなかった私には、このシリーズ、向いていないような気がしてしまうのだ。
母の挑発も気になるし、3巻まではがんばって読んでみるべきというご意見を多方面から戴いてはいるのだけれど~と、正直いって迷っている。
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