題名の通り、世界史と地理は一緒に学んだ方がよく分かるというコンセプトで書かれた本である。
ヨーロッパの観光地では、ナポリ、モナコ、ニース、マルセイユなどの都市が人気である。これらの都市はギリシャ人が作った。「ニース」は勝利の女神ニケから、「タラント」もギリシャ神話が名前の由来である。ナポリは「ネアポリス(新しい街)」、モナコは「ただひとつの」、シラクサは「湿地」というギリシャ語から来ている。また、ギリシャ人は海での交易を重視したため、船が横付けできるような切り立った高低差のある土地に町を作った。こういった町は見事な景色になるので、観光面でも優れていた。
また、ヴァスコ・ダ・ガマの航海は失敗だったとする章もある。コロンブスやマゼランと違って、ガマの航海はゴール地点をすでに知っている「既知」の航海だった。にもかかわらず、ガマの航海は3500kmの距離に97日もかかっている。行きは、同じ距離を26日間で航海している。冬まで待ってから出航すれば(出発したのは10月5日)、もっと早く到着できたはずなのだ。
オランダの話もある。オランダはフランク王国の一部になり、その後ハプスブルク家の領地になった。カトリックだったカール5世やフェリペ2世がオランダのプロテスタントを弾圧するようになり、オランダ人は反乱を起こした。そして、オランダは80年もかけてスペインから独立したのだ。ライデンの攻防戦に勝ったオランダ人のところに届いた食料がニシンだった。オランダ人にとってニシンはライデン解放とオランダ独立の味になっている。そのため、オランダでは町に「ニシンスタンド」なるものがある。ニシンはオランダ人にとってのファストフードなのだ。
イギリス連邦と呼ばれる「コモンウェルス」という国家群があることは初めて知った。英国の植民地がたくさんあったことは知っているが、56か国もの国がコモンウェルスを作っていることは知らなかった。英国の元植民地の親睦会のようなものなので、学校やマスコミは取り上げないのだという。
高校の教科書のように年代順にきちんと整理されてはおらず、ある時代や特定の国を切り取って歴史と地理の両面から解説している。だが、この本の書き方のほうが教科書よりも断然面白い。この本のような語り口で教科書ができていたら、とも思わずにはいられなかった。
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