帰れない探偵

主人公の探偵は家を見つけられなくなり、故国も今や失いかけている。そんな主人公が多くの人の過去を調べ、アイデンティティの危機を探る。不条理な小説にも読めるが印象に残る小説でもある。
誰もが怪しい誰もがおかしい英国推理作家協会賞新人賞受賞作。
誰もが顔見知りの小さな町トールオークス。
深刻な犯罪とは無縁のこの町で、嵐の晩に、三歳の子供が忽然と消えた。
全米の注目を集めたこの失踪事件は、住民総出の捜索でも警察の捜査でも、手がかりすら出てこない。
絶望に抗いながら捜し続ける母親。
そして、町の住民たちそれぞれが抱えていた秘密が次第に明らかになっていくなかで、意想外の真相が姿を現して──



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