NHKが『シャーロック・ホームズの冒険』を放映していたのは、いつのことだったろうか。
BBC制作のそれは、土曜日の夜10時くらいから放映していたように記憶している。
まだ小学生だったけれど、毎週楽しみにしていた。
眠たさに負けることもあったが。
小説を読むようになり、必死に読み漁った。
新訳を追った。
さまざまな新訳に出会い、少しずつ違うホームズの冒険を楽しんできた。
コナンドイル作の「シャーロック・ホームズシリーズ」の第1弾が『シャーロック・ホームズの冒険』だ。
「ボヘミアの醜聞」
「赤毛組合」
「花婿の正体」
「ボスコム谷の惨劇」
「五つのオレンジの種」
「くちびるのねじれた男」
「青い柘榴石」
「まだらの紐」
「技師の親指」
「独身の貴族」
「緑柱石の宝冠」
「ぶなの木屋敷の怪」
以上からなる本作に収録された作品に覚えがある人がは多いことだろう。
個人的には「まだらの紐」の妙が溜まらない。
まだらの紐の正体は、もはや隠していても仕方がない。
毒蛇だ。
毒蛇を操って殺人の凶器とする。
そのため、ミルクで餌付けした毒蛇を、口笛で操る。
そんな馬鹿な!って片づけてしまうのはよくない。
荒唐無稽な設定ではあるが、それをすんなり受け入れさせてしまうところが、コナンドイルの腕前なのだろう。
「シャーロック・ホームズシリーズ」は全部で8巻となる。
『バスカヴィル家の犬』のような長編も魅力たっぷりであるが、ホームズの冒険は短編が読みよい。
おそらく、粗も少ないはずだ。
本作は「シャーロック・ホームズシリーズ」の第1弾。
作者の力の入れようが伝わってくる。
その意気込みが読者層を広く獲得しすぎて、2段目にコナンドイルはホームズを殺害することに。
しかし、読者の強く強い支持に推され、ホームズは復活を果たす。
それほどの支持層を獲得した本作は、ホームズ人気だけではなく、推理小説が広く市民権を獲得したきっかけの作品でもあったのだろう。
多くの本読みが通過するはずの『シャーロック・ホームズの冒険』。
新訳で読むとさらなる魅力に気づくはず。
そして、最近ではコナンドイルの言葉そのもので読破せんと目論んでいる。
目論見はいつ実行に移されるのか。
果たして、ホームズに分かるかな?
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