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ぽんきち
レビュアー:
あの人も、この人も、あんな時も、こんな時も。誰かが、どこかで、何かを読んでいる。
アンドレ・ケルテス(1894~1985)の写真集。
タイトル通り、さまざまな人の「読む時間(On Reading)」を収める。

友だちと。1人で。
公園で。ベランダで。
客待ち中に。仕事で。
道端で。書斎で。
絵の中で。銅像で。
聖職者も。いたずらっ子も。
おじさんの背後から牛も。本に止まっているこの虫ももしかして。
皆が何かを読んでいる。

分厚い本。画集。新聞。パンフレット。雑誌。稀覯書。百科事典。手紙。
それぞれの人がそれぞれの文字を追い、それぞれの想いを遊ばせる。
想像の世界に羽ばたき、現実の重さに沈み、思索に没頭し、憧れに胸躍らせる。
人々はそこに存在しているけれども、心は別の世界に飛んでいる。
「読む」ことは翼を得ることなのかもしれない。

撮影場所は世界各地。
ニューヨーク。パリ。ハンガリー。ヴェニス。ブエノスアイレス。
マニラ。ルイジアナ。コネチカット。ニュージャージー。
そう、日本もある。
1968年の東京と京都。半世紀前の人々が、フレームに収められ、それぞれの「読む時間」にいそしむ。

「読む」ことについて、哲学的な考察にまで誘うかのような作品集。
巻頭に寄せられた谷川俊太郎の詩も味わい深い。
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1827 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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