寄生生物を操る寄生虫の研究をしている妻と、ウェブコミック漫画家の夫の共著で書かれた最先端テクノロジーを紹介する本です。
ザ・シンプソンズのようなイラストがちりばめられ、語り口は完全にギークのノリだが幅広い分野にわたる将来の可能性と現状について書かれていた。
最初に出てくるのはタイトルにもなっている「宇宙エレベーター」だが、この実現にはカーボンナノチューブの技術の向上が必須らしい。
今のところ宇宙に物を送り込むのに1ポンドにつき1万ドルかかるそうで、この費用を削減できればさらに宇宙開発が進み、移住への道も開けてくる。
このコストダウンのためのプランの一つが宇宙エレベーターですが、月に行くにはまだしばらくかかりそうだ。
なので小惑星採掘や核融合エネルギーといった話も実現への道のりは遠そうだが、アポロからISSへの進化を考えればいつの日か実現するのかも。
続いてロボットについて、どこまで進化していけるかが語られる。
折り紙ロボットやモジュラーロボットなどが出てくるが、面白かったのは「なんでもバケツ」というべとついたもので満たされたバケツだ。
六角レンチやペンチ、ラバーカップといったツールを生み出せるバケツで中はナノロボットの塊らしいが、ツールボックスがあれば十分だと思う人間は発明家にはなれないのだろう。
頻繁に登場するロボットの反乱ネタが気になるところだが、家を建てるロボットや3D印刷された食べ物が出てきます。
ラテアートなんて3Dの世界のような気もするが、そのうち衣食住の概念が変わるかもしれない。
現実社会に仮想現実を重ね合わせるARの技術はすでにポケモンGOで一部現実となっているが、これがさらに進んだ姿を予想している。
四半世紀前に今のようなスマホ依存の社会を想像できなかったように、ARが進んでいけばまた違う世界と問題が出てくるに違いない。
バイオ技術では、癌の診断や微生物を用いた薬の合成といった有用なものから鏡人間の作成という意味の分からないものまで幅広く出てくる。
臓器プリンターによる新しい臓器の作成と、ナノボットによる治療とどちらが可能性があるのかはそのうちわかるのだろうか。
脳にインターフェイスを埋め込むという映画の世界のような実験も出てくるが、脳の改良に人類はついていけるのか結果が知りたい話だった。
様々なテクノロジーの可能性について語られた本でした。
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