いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(上)

2012年頃の”いちえふ”の現場で働いてきた著者が見た作業員の日常、福島の現実。
本作を読んで感じるのはオコンネルの人物描写の上手さである。デビュー第2作にして、新人作家にありがちなペラペラの書き割りではなく、登場人物がしっかりと陰影を持った人間として立ち上がってくる。
(前略)アリス伯母とぎこちなくおやすみの挨拶を交わしたマロリーは、ヘレンの育った部屋部屋を通り抜け、その隅々にまで目を配りながら、ゆっくりと玄関に向かった。
途中には、タペストリのカバーのかかったグランドピアノがあった。その上には、凝った装飾のフレームに収められた小さな写真が五十あまりも載っていた。(中略)マロリーは、少女時代のヘレンの写真を見つけた。それは、大人になり、年老いていった他の子供たちとともに、奥のほうに置かれていた。彼女はその写真を手に取り、ヘレンの幼い顔を見つめた。
写真をもとの場所にもどそうとしたとき、彼女の手がぴたりと止まった。その目は、中央の列の、ある写真に釘付けだった。ずらりと並ぶ無数の若い目のなかから、自分の顔がのぞいている。それは、あの訪問から丸一年後に撮られた学校の集合写真だった。
彼女の肖像は、とくにいい場所にあったわけでも、隠されていたわけでもない。それはあるべき場所にあった。前後の世代にはさまれ、家族の一員として。(p.96)




2012年頃の”いちえふ”の現場で働いてきた著者が見た作業員の日常、福島の現実。

1970年に出版された「日本人とユダヤ人」は大ヒットしました。しかしそこに書いてあることは嘘ばかりだという批判の本です。

うへぇ……何とブラックな作品なんだ

本が好き!デビュー15周年記念!?※さすがに15年日記はなかったので10年で代用させていただきました。レビューではないのでご投票いただくにはおよびませんが、コメントは歓迎しますw
![巨匠指揮者列伝 名盤でたどる88人[ア~セ]](https://m.media-amazon.com/images/I/51kM+E2pSnL._SL160_.jpg)
指揮者のことも、レコード会社のことも、日本における音楽受容のことも知ることができる優れた労作
この書評へのコメント