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ありふれた設定でここまで読ませるとは!

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!免許皆伝
月の満ち欠け
直木賞受賞作ということで手に取りました。
作品紹介を読んだところ趣味に合いそうでしたし。

読書中から、重厚感にぐいぐい引き込まれました。
そして見え透いた展開とありふれた設定に驚きました。
同じパターンの小説はこれで三冊目の読破です。
ほかにも同じ設定の作品があることを知っています。
だけど、なんなのでしょうと言いたくなるくらい楽しめたのですね。

月の満ち欠け。佐藤正午。
どちらも平凡な響きで、なかなか頭に入ってきませんでした。
作家さんの名前は仕方ないとしても、この題名では初見で損をしている
と思います。読了すると、この題名でもいいかとは思いますが、
正直に言って直木賞受賞作でなければ出会わなかった作品です。

ああ、実にもったいないです。だって、ずんずん読んでしまいましたから。
純愛系が好きな人にお薦めです。

小山内が山形から乗って来たはやぶさから降り、待ち合わせに向かいます。
東京ステーションホテルのカフェ。緑坂ゆいと娘のるりが予約席に座っていました。
もう一人の待ち合わせは三角という男です。まだ現れていません。

るりは小柄な小学生ですが、普通ではない雰囲気があります。
小山内もなんとなく分かっているようです。
コーヒーをと店員に頼むと、煎茶とどら焼きのセットにすればいいのにと
るりの声が聞こえます。
どら焼き、嫌いじゃないもんね。一緒に食べたことがあるね、家族三人で
誰と誰が家族なのでしょう。
小山内は半年前に緑坂ゆいの突然の訪問を受け、るりについての不思議な話を聞き
今日会うことになったのです。だから初対面なのです。

あれは持ってきたのと聞かれ、小山内が油絵を取り出したら、これは私の描いた
ものだと言い張ります。
この絵は娘の瑠璃が高校時代に描いたものだ。彼女の遺品なのだ
わかっているよと答える小学生のるり。

世界がつながっているのです。
それはまるで、隠れた月が満ちて新しい光を放つように。

なぜこんなことが起きるのでしょう。
使い古されたテーマであるがゆえに、予定調和を楽しむ作品といえます。
落ち着いた語り口に好感を持ちました。
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  • 掲載日:2017/08/15
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