エンブリーとユーバートという二人のきょうだいがクローケーの槌で殴り合いの喧嘩をしているところから始まります(何と過激な)。
そこに突然一台の自転車が現れ、二人は喧嘩そっちのけで自転車の取り合いを始めるのです。
結局のところ、何とか二人でこの自転車に乗り、様々なところに出かけていくという、まあそれだけのお話なんです。
挿絵はいつものゴーリーのタッチでありますよ。
この作品、原タイトルには“Epipkectic”という言葉が使われているのだそうですが、訳者の柴田元幸さんも見たことが無い単語だったそうで、これはゴーリーがひねり出した造語じゃないかと思ったそうなのですが、念のため辞書に当たったところ、『廃語、稀』として載っていたのだそうです。
意味的には「修辞学で、優雅な叱責によって説得しようとする言い方」ということなんですって。
そこで日本語タイトルも「優雅に叱責する自転車」としたそうなんですが、この自転車、別に叱責などしないんですけどね~。
奇妙なのは、いくつかのページの言葉の前に「第○章」と振られている場合があるのですが、この章番号が飛び飛びでつながっていないんです。
柴田元幸さんは、あるいは欠落している? とも考え、もしそうなら抜けているところは読者が補って欲しいとしているのですが、補うにしてもその手がかりは無く、章番号が飛んでいるにしても話自体はそれなりにつながって読めちゃうんですね。
また、お話の最後の方では、「この自転車はタイムマシンなのか?」と思われるような内容にもなっていきます。
う~む、謎の多い本だ。
ま、そういうところもゴーリーらしいと言えばそうなんですけどね。
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□ 瞬殺/68ページ:2026/03/20
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