手短に。
パートナーと別れギリシアを去り、再びロンドンに帰ってきたスーザン・ライランド。彼女のもとに因縁の仕事が舞いこむ。若手作家エリオット・クレイスが名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。
期待せず原稿を読んでみるとアラン・コンウェイの作風を自分の物にしているエリオットに驚く、と同時に不安を覚える。
アラン・コンウェイが〈アティカス・ピュント〉シリーズにいくつもの不快な仕掛けを施していたように、エリオットもまた小説の中に自分の家族関係の不快な暴露を織り込んでいるのでは?
二度ある事は三度ある。嫌な予感は、的中しスーザン・ライランドはまたしても殺人事件に巻き込まるはめになる。
なんというかシリーズ完結編というより復讐編。家族の愛憎、どろどろ三割増。そのどろどろに首を突っ込むもんだから、スーザンは殺人事件の容疑者にもされてしまう。
謎解きはいつものように上手い。もうすぐ死ぬババアをなぜわざわざ毒殺するのか? の問題にリアルとフィクションで理由が異なるのもよみどころ。リアルの方は某映画の逆バージョンで笑ってしまう。
あまり大きな声では言えないが、アラン・コンウェイに倣いこのシリーズを個人的にアティカス・ピュントとスーザン・ライランドのダブルstupid cuntシリーズと呼んでいる。ようはヒロインのスーザンにあまり良い印象がないんです。
私はダニエル・ホーソーンの方が好きだ。そんなホーソーン物の新作A Deadly Episodeが今年四月に発売される。翻訳は来年秋かな。
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