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 若さゆえの焦燥や葛藤。ライバル同士、二人の少女の青春物語。

金木犀とメテオラ
 若いって良いなぁ、真っ直ぐで。
でも、その純真なところが焦燥や葛藤を招いたりする。大人になったら、こんなことで悩まないのになぁっていうアオハル小説。
 北海道にできた新設の中高一貫女子校に一期生として入学してきた宮田佳乃と奥沢叶。学業優秀でいつも1、2番を争うライバルで、お互いに反発し合っている。

 宮田佳乃は東京出身で寮に住んでいる。母を亡くして父と二人暮らしだったが、その父の意向で田舎の学校に追いやられた(そう感じている)。東京にいれば有名私立校に入れただろうし、コンクールで表彰されたピアノも続けられたのに。この学校で自分より勉強の出来る生徒がいるはずがないと思っていたのに、入学式の総代は叶だった。

 奥沢叶は地元出身。シングルマザーに育てられていて、父親はわからない。母親の交際相手は地元の有力者。妻子がいるにも関わらず、奥沢家に入り浸っている。叶は嫌っているのだが、彼がいないと家計は成り立たず学校に行くこともできない。高校を卒業したら家を出ると決意して、今は従順に振る舞っている。裕福そうなお嬢様に見える佳乃のことが嫌い。

 4年の歳月が過ぎて2人は高校2年生。高3の1年間は受験勉強に当てられるため、最後の学校行事であるクラス対抗合唱コンクールが近づいてきた。叶は指揮者に(音楽は得意ではないけど)、佳乃はピアノ伴奏に選ばれる。ところが佳乃は急に自信を無くしてピアノが弾けなくなってしまう。このピンチを叶は、佳乃は、そしてクラスメイトたちは乗り越えることができるのだろうか?
 叶と佳乃は境遇は違うけど、抱えている悩みはよく似ている。2人が自分の気持ちに正直になって、思い描いた人生を進んでくれたら良いのにと願う。

 安壇美緒さんの『ラブカは静かに弓を持つ』が好きで、この本を読んでみたのだがジャンルが全然違っていた。『ラブカ…』の方がミステリー要素もあり構成が緻密でレベルが高いと思った。
 
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  • 掲載日:2026/05/01
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