本が好き!ロゴ

閉じる

12345 1234567 12345 1234567 1234567

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
  • つむじ風、ここにあります
  • by
  • 出版社:書肆侃侃房
つむじ風、ここにあります
 短歌はいい。そう思える自分もいい。何がいいのかいろいろ考えてみたけど、これはやはり理屈ではなく、身体に直接働きかける感覚なのだ。だから、本書の中にもいいと思うのもあるけど、あんましって思うのもある。

 刺さるっていうの?心に食い込んで息苦しくなるのもあるし、思わず笑っちゃうのもある。能天気なのもあれば、深刻なのもある。明るいのに残酷なのもあるし、心地よく裏切ってくれるものもある。

 ひねったもの。変わった取り合わせ。少し非現実、圧倒的にリアル。あまりにもストレート。ストレートで一番心に残ったのは

  からっぽの病室 君はここにいた まぶしいくらいここにいたのに

 かなしい。とてもかなしい。でも美しい。ここにいた君は、記憶の中で神々しく輝いている。美しさと喪失、二つの要素が心乱す。

 また、思わず笑っちゃうのが

  懐で暖めていたグミかない信長様に蹴られてしまう
 
 そりや蹴られるわ。小栗旬、この間も蹴っていたもの。  

 なんだか楽しい。短歌は新しい世界を展開し、ぼくを翻弄する。気持ちがザワつき、この短い端的な喜びが死の気配をも漂わせることに漂然とする。

 刺激があっちとこっちをつなぎ、ぼくも創造したくなる。

  鯖寿司を 毎日食べて 胃をこわす それでも食べて やがてくびれる 

 うつむいた 目線の先に 猫の首 どこからきたの ついてこないで

 笑い声 耳に残って ふりむけば 大口開けて 血まみれのきみ
 
 
  • 掲載日:2026/04/24
投票する
投票するには、ログインしてください。

この書評の得票合計:17

読んで楽しい:3票
参考になる:14票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

    No Image

    コメントするには、ログインしてください。

    つむじ風、ここにあります の書評一覧

    取得中。。。