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書物の周辺は舞台袖、という発想からくる、新機軸のジャンルかも?

エデンの裏庭
物語が舞台上で語られるものとするならば、「舞台袖」と呼ばれてしかるべきものが含まれている、という著者の発想から出来上がった本。

著者が大人になる前に出合った2冊と、大人になってから出合った2冊の児童文学に、その舞台袖とした創作を綴り、さらに注釈や解説といったものを<舞台袖からの報告>として記している。そちらが第一部。

加えて「エデンの裏庭」という著者による創作が第二部である。

第一部で取り上げられているのは次の本たち。
 ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』
 ジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』
 サン=テグジュペリ『星の王子さま』
 ミヒャエル・エンデ『モモ』

それらの注釈・解説としての<舞台袖からの報告>で、一番興味深かったのは『モモ』について書かれたものだった。

『モモ』は「時間」と「心」による戦いの物語ではないか、として灰色の男たちが「時間」の節約を提唱して奪っていくことで、「心」までも侵食していった、という解釈だ。
そうと言うのは、それらは目には見えないけども、「生きている」ことを示す拠り所としてわれわれは知っているからだ、ということである。
確かに、時間を節約しなければ、とそれまでの自分の生き方を変えてしまった『モモ』の登場人物たちは、心の余裕を失っていく。
そういった点は、一つの解釈として納得させられるものだった。

<舞台袖からの報告>が上記4作品の注釈・解説ということでそこに期待して読んだのだが・・・。
舞台袖としての創作と注釈・解説という新機軸は、その他のいろんな作品にも適用してみたら、また面白いジャンルができるかもしれない、とは思った。

第二部の「エデンの裏庭」はちょっと消化不良気味の作品で、あまり印象に残っていない。

なお、本書の装丁はとてもステキなものだと思った。
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  • 掲載日:2026/04/24
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