PTAというものがどういう役割をしているか、それがはっきりしないままほぼすべての親が入会し、役員をさせられるという状況は現在でも変わらないようです。
本書著者の堀内京子さんは朝日新聞の記者ですが、ご自身の子どもさんが入学し自分もPTAに関わらざるを得なくなって、その状況が聞きしに勝るものであることに驚きます。
知識としては「入会は自由」であるということを知っていても、実際にその場になってみるとそのようなことを言いだすことも難しくなってしまいます。
さらにあの「役員決め」、自分がどのように苦しい立場であるかを切々と訴えても結局は引き受けなければならなくなるというものです。
そういったPTAの実態、さらには「親も知らない問題」までPTAに関する色々なことを示していきます。
第1章ではそのようなPTAの実態、さらに第2章でPTAの仕組みや歴史を解説。
そして第3章と第4章で、「親も知らないPTA」つまり市町村、都道府県、全国までの各段階に設けられたPTAの上部団体について記していきます。
そしてこれからのPTAはどうあるべきか、さらに最終章で前川喜平さんとの対談を掲載しています。
最後に強調されているのが、
1PTA活動は親の義務ではない、「入退会は自由」という原則を徹底する
2PTAを利用させない、必要以上のカネを持たない、動員されない、代表されない。
ということです。
特にひどいのが2の方で、現在でも800万人と言われる会員の数を使って政治的に利用しようという勢力が暗躍します。
PTAは入退会自由といっても会員とならない人の子どもにはいろいろな圧力がかけられます。
これにはPTA会費を学校の活動費に充てようという悪習がまだ残っているところもあるからです。
ひどいところでは、学校の図書館の図書費、エアコン設置費用までPTA会費から出させることもあります。
このような費用は当然ながら公的資金から出すのが当然ですが、これまでの慣習が変わらないところもあるようです。
そのようなところでPTA非会員が増えると学校の財政的に困るということです。
さらにPTA役員となった場合に様々な講習会などに強制出席ということもあります。
その講習会というものが何の得にもならない内容であるばかりか、政治的に偏向したものである場合もあるようです。
それに出席するために会社を休んだり、子どもを誰かに預かってもらうなどの苦労があります。
そのためか、PTAでも会長や上部団体役員といった役職に就くのはほとんどが男性、しかも会社員ではなく自営業の人がほとんどになります。
それが日本青年会議所のメンバーと重なることが多く、実際にPTA役員と重なることが多いとか。
それが政治的な勢力と結びつくこともあり、TOSSといわれる運動とも結びついていきました。
特に安倍政権時代にそれが強かったそうです。
私の娘のところの子ども(孫)たちも小学生となっていますが、やはりPTAというものの重圧があるようです。
全くバカバカしい話ですが、それがすんなりと議論できないというのが日本の社会なのでしょう。
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