早世したスティーグ・ラーソンによるスウェーデン・ミステリ。ラーソン執筆部分は第3部までで、第4部から第6部までが別の著者により書き継がれている。
ミレニアム1上、
ミレニアム1下を受けて、物語は第2章へ。
雑誌編集者ミカエルと凄腕ハッカーのリスベット。富豪一族にまつわる過去の少女失踪事件を追った2人は深い関係となった。しかし、経歴も立場も違う関係は永続的なものにはなりえなかった。リスベットは連絡を絶ち、姿を消す。
ある方法で大金を手にした彼女は、ミカエルだけではなく、すべての知人に一切連絡することもないまま、海外旅行に出かける。取り立ててよい教育を受けたわけではないが、生来、知能の高い彼女は、数学の世界に魅かれ、専門書を読みふけり、難問に取り組んだりしてみる。
一方、ミカエルは、リスベットの助力もあり、かつて自分を陥れた実業家の闇を暴き、一躍花形ジャーナリストに返り咲いていた。そんな彼の次のテーマはロシア出身の少女たちの人身売買と強制売春だった。この件に長年取り組んできたフリージャーナリストのダグ、ダグのパートナーで研究者であるミアの調査資料や論文をベースに、「ミレニアム」本誌で特集すると同時に、書籍を別途出版する計画だ。ダグとミアは買春した側も根気よく調べ、警察関係者や社会的な立場の高い人物もいることを突き止めていた。
第1章でリスベットに完膚なきまでに打ちのめされた彼女の後見弁護士ビュルマンはリスベットを深く恨み憎んでいた。しかし、通常の方法では彼女に手は出せない。彼はある復讐策を思いつく。
リスベットがようやくストックホルムに帰る決心をしたとき、事態は思わぬ方に動き出す。
ある大きな事件が起こり、リスベットとミカエルの道は再び交わることになる。
リスベットは警察からは事件の犯人と目されるのだが、果たして真相はどうなのか。話は下巻へとなだれ込む。
相変わらず暴力はなかなかの激しさである。
冒頭の描写では、リスベットの数学への傾倒がもう少し物語に大きくかかわってくるのかと思ったのだが、ここまでのところ、若干の象徴的な意味しかなさそうである。
リスベットがなぜ「危険人物」とされ、弁護士の管理下に置かれることになったのかが徐々に見えてくるが、まだ完全には明かされない。
第1部での事件の倫理的に問題がある幕引きは第2部でもそのままである。この件、このまま終わるのか。
リスベットはある意味、倫理観の強い人物なのだが、その軸が実際の法律とはかなりズレている。そして彼女には実行力と怒りがある。それをもって、「許されない事態だが、法的に裁けない」といった事件に斬り込んでいくわけである。そこが危うさでもあり魅力でもあるのだが、さて、リスベットの「倫理」にどこまで共感し、寄り添えるのか、それが本作を真に楽しめるかどうかの1つの「篩」になっているような気もする。
何はともあれ、下巻に続いてみる。
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