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ぽんきち
レビュアー:
予想より暴力的、予想より倫理から外れる
承前

実業家に対する名誉棄損の罪で実刑判決を受けつつ、別の実業家の依頼で一族の少女の失踪事件を追うジャーナリスト、ミカエル。服役を終え、調査を続ける。
彼の取った手法はかなり地道で泥臭い。失踪事件の当日は祭のパレードがあり、また大きな交通事故があった日でもあった。地元新聞社に残された写真を丹念に調べ、失踪した少女が何かに怯えた表情をしている写真を見つける。その視線の先に何があったのか。それを突き止める手段がなかなか興味深い。
また、少女は謎のメモを残していた。女性の名前やイニシャルと電話番号のような数字の組み合わせ。果たしてその意味するところは。
一方、天才ハッカーであるリスベットもこの事件の調査に巻き込まれていくことになる。

下巻になり、ようやく主人公2人、ミカエルとリスベットが出会う。人好きのする中年男性と鼻ピアスに全身タトゥーの若い女性の組み合わせはなかなか異色かもしれない。
物語全体としては、猟奇的殺人に聖書の記述なども絡み、どことなく「ダ・ヴィンチ・コード」を思い出させる雰囲気がある。
ハッキングの手法などにも触れられているが、若干時代が古く、この辺りはきっと(セキュリティを守る側も破る側も)もっと進んでいるのだろうな、と思う。ハッカーに対する強い嫌悪感のようなものが窺える描写があり、少し驚く。ハッキング、よくはないだろうが、ここまで忌避されていたのだろうか。

2人の調査が進むにつれ、どうやら少女失踪の影にはとんでもない連続殺人事件があることが見えてくる。ミカエルが「犯人」の手に落ち、絶体絶命の危機に陥る場面もある。
一方で異色のバディの間には恋愛感情も漂うのだが、2人の境遇の違いなどから、なかなか順調には進まず・・・。

なかなか要素の多い作品で、魅力はあるとは思うが、個人的にはここまで暴力的でなくてもよいのに、とか、いくら何でも連続殺人事件の落とし前がこうなるのはまずいんじゃないの、とか、引っ掛かる点がなくもない。こんな事件が明るみに出ない世の中なんて怖くないかなぁ・・・。現実にもそんなことあるのだろうか。
とはいえ、シリーズの中でリスベットの過去も徐々に明らかになっていくようなので、もう少し追ってみようかと思っている。


*本作、本国とハリウッドで映画化されていて、とりあえずスウェーデン版を見たが、複雑な話をうまくまとめている印象である。暴力シーンは若干マイルドになり、ストーリーもやや単純化されている。リスベットは活字版より「大人」に見えたが、物語世界はよく表していたと思う。
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1860 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。♂x2、♀x2。雌は勤勉に毎日卵を産むようになりました。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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