ポリネシアと聞けば南の楽園をイメージする。
南のニュージーランド、東のイースター島、そして北のハワイ諸島を結んだポリネシア・トライアングルには二千もの島々があり、特に大きな島としてはトンガ、サモア、クック、ソシエテ、ツアモア、マルキーズなどがある。
海に囲まれた島は広範囲にわたって散らばっているが、その中には言語や宗教といった共通の文化が根付いていた。
ポリネシアのルーツですが、約四万年前に中国南東部に住んでいた肌の黒いネグロイドが、氷河期のため海面が低くなって東南アジアとかなりの部分が地続きであった陸のルートを利用してインドネシアに渡り、セレベス島、ニューギニア島、オーストラリアへと渡っていった。
その後約6500年前に今日のパプア人の直接の先祖である原パプア人が海を渡って移動してきて先住民と混血し、ポリネシア人として広がっていった。
広い範囲に広がっているポリネシア人だが、言葉が通じる程度には似通っており、共通の神を持っている。
タアロア神は創造神として崇められているが、中でもタヒチとその隣のライアテア島が信仰の中心地だった。
また人間に島とサンゴ礁、そして火を与えた半神半人のマウイの伝説もポリネシア全体に語り継がれているそうです。
身体の刺青や芸術家もしくは神官を意味するタフナの存在もポリネシアの文化だろう。
フラダンスも神聖な意味がある踊りだそうです。
そしてタブーとマナがポリネシアの宗教観から生まれた最も特徴ある概念であり、マナは超自然的な根源が発揮する独特な力だ。
農業はココヤシが一番多く栽培されていて、実を飲料水にしたりココヤシ油を搾り取ったり、木や葉、繊維で様々なものを作り役立ててきた。
またサツマイモやヤムイモ、タロイモといったイモ類や、バナナ、カボチャ、パンノキが重要な作物だ。
家畜が少ない分、優れた航海者であるポリネシア人は海の恵みから動物性たんぱく質を摂取していた。
ニュージーランドではモアという巨大な飛べない鳥が生息していたが、ポリネシア人に狩りつくされて絶滅してしまったという。
農業で食べていくには必要な土地が小さい島が多かったのかもしれない。
そして島に人口があふれるようになってくると、船団を仕立てて他の島へと渡っていく。
南の楽園のイメージがあるポリネシアの文化と歴史を探る本だった。
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