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宇宙で暮らすための本

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
宇宙に住む。
まるでSFのような世界ですが、国際宇宙ステーションができてから宇宙にロケットで行って帰ってくる弾丸旅行から長期滞在へと変化したのは確かだ。
そして前澤氏のように民間人でも宇宙に行くことができるようになり、SFの世界が現実になる日への道程を感じさせてくれた。
本書では人間が宇宙で暮らすために必要となってくるものをどのように調達していくのかについて、東京理科大学スペースコロニー研究センターのスタッフがそれぞれの分野で研究している最先端の技術を紹介してくれます。

アポロ計画のようにロケットで宇宙に行っていた時代は、宇宙飛行士が必要な酸素や水、食料はすべて地球から積み込んでいって使っていたそうで、これを消費型ECLSSという。
そして国際宇宙ステーションでは、二酸化炭素を酸素に、排水や空気中の水蒸気を凝集して再生する再生型ECLSSというシステムをとっている。
だが月や火星、そして遥かな宇宙へと地球を離れるにつれて、資源を地球に依存しない自立型ECLSSが必要になってくる。
この研究によって地球でも資源の枯渇を防ぐためにSDGsが盛んに言われるようになってきたが、二酸化炭素処理システムや水のリサイクル、エネルギー問題を解決する役にも立つので重要だとか。

宇宙で食料を栽培するというと、映画「オデッセイ」でマット・デイモンがジャガイモを増やそうと頑張っていたシーンが思い浮かびます。
植物が育つためには光と水と養分が必要だが、さらにカビや藻対策といった部分も重要だそうです。。
雑菌が入らないようにパウチのなかで栽培された宇宙レタスも紹介されていますが、毎日サラダが食べれるにはどのくらいのパウチが必要なんだろう。
小麦を栽培するには小麦が放出するエチレンガスを除去しなければならないなど、地球上では問題にならないような部分も興味深い。
宇宙コロニーで作った作物でカレーを作れるようになるのはいつの日になるのかな。

宇宙空間でコロニーを維持するには電力も必須ですが、太陽光があればどうにかなるかなと思ってしまう。
だが宇宙では太陽光パネルの耐久性が問題になるそうで、紫外線や放射線、宇宙の温度変化や打ち上げ時の振動に強く軽いものが必要だそうだ。
これがクリアされて、なおかつ節電も徹底されれば地球のエネルギー問題にも解決策が見えてきそうだ。

宇宙で暮らすには骨量や筋力低下の問題といった重力に関わる話もあるが、宇宙ステーションから月面基地、火星探査に深宇宙へと未来の可能性と夢のつまった本でした。
  • 掲載日:2022/01/21
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