ほとんど胸クソ悪い状態で下巻に突入しましたよ~。
小説家のディエゴが自分が書いた『血と琥珀』というミステリ小説の悪役にした『怪物』と呼ばれる男。
こいつが現実に現れ、その作者であるディエゴの娘をさらい、無事に解放して欲しければ『課題』をクリアしろと脅迫してくる物語。
ディエゴは第一の課題、大型犬の糞を喰えをクリアしました。
第二の課題。中世の拷問器具を装着して7時間耐えろ。その間に解放して欲しければボタンを押せ(押した途端、人質になっている娘はその拷問器具をつけられ、7時間放置された後に殺されるのですが)。
こんな試練に耐えられるのか?
いや、ディエゴは耐えたのです。二番目の課題では半ばから半狂乱になってしまっているのですが。どうにか耐えたようです(もう途中から意識はあるのかないのか……)。
病院に搬送されたディエゴには、これまで不仲だった兄(彼も容疑をかけられているんですけれどね)が付き添っています。こんな事件を機に、二人の仲は修復されそうであります。
そんな時に昔の教え子が訪ねて来ます。ディエゴがどんな目にあっているのかは、『怪物』の要求により全世界にインターネット中継されたので、それは分かっているはずなのに何故こんな時に?
しかも厳重に警備されている病院になんでこいつ入れたんだ?
まあ、こいつの親父は絶大な権力者なんですけどね。
そのコネでということなんだけれど……。
この教え子たちとの間にも確執があったとディエゴは言います(教え子の一人はディエゴの講義を受けた影響で自殺した……とディエゴは考えていて、自責の念にもかられているのです)。
自殺した生徒と仲が良かった3人は、さぞかし俺を恨んでいることだろう……。
そのうちの一人が見舞いに訪れたのです。
彼は見舞いがてら、「先生が考えているようなことはまったくないのです。ご自分を責めないでください」などと、言うのですが、去り際に「奥様とは別居されていたのだと思っていました」などとわざとらしいことを言います。
息も絶え絶えのディエゴは「どういうことだ!」と問い詰めます。
彼が言うには、奥様と、そう、この事件を担当しているルカモア警部が親しそうに歩いているのを見たのでてっきり……などと言います。
こいつが……『怪物』なのか? ルカモア警部は既にかなり疑っていて強引な捜査もしているのですが……何の証拠も得られていません。
彼に絶対のアリバイがあることは警察は確認しています。
でも、私のアンテナにはこいつがひっかかるんですよね~、でもそれはあまりにもあからさまであって、ちょっと……そういうオチは信じられない(それではあまりにも陳腐ではないか?)。
それでも、こいつ、臭い! と私は思うのですが、さてどうなるのでしょうか?
ディエゴはいてもたってもいられなくなり、強引に退院してしまいます。
そうして妻に問いただしたところ、あっさりルカモア警部と肉体関係を結んでいたと認めるのです。
なんていうことだ!(妻には妻の言い分もありますし、ディエゴも創作のストレスがあったとは言え、ほとんどアル中状態になっていたこともあり、褒められたもんじゃないのですけれど。そうして、この事件でまた酒に溺れてしまう……)。
そんな時に第三の課題が届けられました。
『怪物』が最後に要求したのは、「自分でスプーンを使って自分の両目をえぐり出せ」というものでした。
うげー。
そ、そんなぁです。
警察内部でも軋轢があります。
これまで主任を担っていたルカモアよりも、その部下(こいつ名誉欲というか虚栄心強くて信頼できない)のオラーヤ警部補が、いくつかの手がかりをつかんだことから、上層部から主任に指名されてしまったのです。今やルカモアはオラーヤの指示を受ける立場に。
オラーヤ警部補は功名心に走り(もちろん上層部もオラーヤが提出した証拠を認め、逮捕を承認しているのですが)、ある者を逮捕してしまうのですが、これは本当に『怪物』なのか?
ルカモアは、「お前、こいつが真犯人じゃなかったらどうするんだ? ディエゴが両目をえぐり出さなければならないのは3日後だぞ! それをやらせるのか、止めさせるのか? どっちなんだ!」と迫ります。
オラーヤは、「それまでには自白させますよ。あとのことはお任せします」とうそぶくのです。……こいつ、信頼できない!
ご紹介はこの辺りまでとしましょう。
ディエゴは自分でスプーンを使って両目をえぐり出すのか?
浮気が分かってしまった妻、そしてルカモア警部はどうするのか?
何よりも、娘さんは無事なのか?
かな~りショッキングですし、はっきり言って(特に途中まで)胸クソ悪かったです。
それでも、読者にそう感じさせてしまうというのはまさに作者の力量でしょう、と、素直に評価しています。
読了時間メーター
□□□ 普通(1~2日あれば読める)/415ページ:2026/03/27
怪物のゲーム(上)
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