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菅原道真は、大宰府に流されて、いじけて腐っていた。

  • 泣くな道真 大宰府の詩
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  • 出版社:集英社
泣くな道真 大宰府の詩
 菅原道真は大宰府に流罪となるまでは、右大臣。右大臣の上には天皇がいるだけで、政治の最高位にいた。しかし、時の左大臣藤原時平の策謀により失脚し、博多大宰府に飛ばされる。菅原道真は、日本人に学問の神様として崇拝されている。だから、たとえ飛ばされても、態度、風格もあり、大宰府にいても、立派な業績をたてたものと思っていたが、作者澤田さんは、道真は大宰府に赴任したとき、恐慌状態に陥っていて

「おぬしら、甘言を弄して、わしをどこぞで謀殺するつもりじゃな。ええい、その手はくわぬ。放せ、放せ」の狼狽ぶり。それからは、あてがわれた部屋から一切出ず、引きこもり生活。とても、右大臣まで務めた人間とは思えない小心、いじけ男として道真を描く。ここが澤田さんらしいところ。

 この道真のお相手役となるのが、大宰府役所きっての怠け者龍野穂積。この穂積のどうしようもないぶりも面白いのだが、穂積を推薦した小野葛根の妹小野しず子、後の小野小町のいじけ腐った道真の尻をひっぱたき、ぐいぐい引っ張り上げる男勝りの姿が面白い。

 最後彼女のリードで、にっくき朝廷に意趣返しに成功。道真は蘇るがその直後小野しず子は大宰府を後にし、東北出羽の国に旅立つところもかっこいい。

 登場人物が実に個性的に生き生きと描かれてい、ユーモアも満載で本当に楽しい作品だった。
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  • 掲載日:2022/03/18
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