クリスマスのくつした

もういくつ寝るとクリスマス
本を読みながら思い浮かべたあの情景、あの風景が、実際に目にしたものであるかのように、私の記憶の中に埋もれていく。
あらゆるものの輪郭がおぼろになっていく、とベス姉がため息まじりにつぶやき
罠をしかけているのだ、と長身の老人は言った。言ったように聞こえた。
しばらく前からその存在には気づいていた。
夜の底に湯気がゆらゆらと吸い込まれていった。
暗かった。そこが部屋の中だということも最初はわからなかった。
カーテンは表から、すなわち外の通りから見えるほうが裏側なのだろうかと考えてみたり、
フランスの地方都市で詩人の家に居候していたときのことだ。
思い出そうとするが、絵で見た光景だったのか、あるいは小説の一場面だったのか
虚構と現実のあわいをさまよい続けていれば、探していた景色にいつか出会えるのだろうか。

もういくつ寝るとクリスマス

謙信なき後の権力争いに巻き込まれてしまった上杉景虎。人はそこに「陰謀」や「裏」を読み取ってしまう。

本書は血湧き肉躍る冒険の書である。驚くなかれ、著者の渡辺氏は、なんと安部公房に八年も師事したというのだ。 本書は、そんな「寵児」による「安部公房探検記」である。

映画の原作。地下道が迷宮に変ってしまった。異変を見つけたら引き返す。異変が見つからなかったらそのまま進む。必ず8番出口から出るというルール。ちょっと中途半端。

万博の雰囲気まで伝わってくる写真集で、「万博ロス」となっている気持ちを“懐かしさ”で満たしてくれます。
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