複眼人
遅ればせながら、話題の『複眼人』を読みました。のっけから突拍子もないことを言うようですが、Singerのボブ・ディランがなぜ?ノーベル文学賞を受賞したかが、この本を最後まで読むとわかります。(笑)。
色んな方々が既に、いくつもの素晴らしいレビューを投稿されておられますのであえてストーリー、内容にはふ…
本が好き! 1級
書評数:272 件
得票数:5980 票
これまで読んできた作家。村上春樹、丸山健二、中上健次、笠井潔、桐山襲、五木寛之、大江健三郎、松本清張、伊坂幸太郎
堀江敏幸、多和田葉子、中原清一郎、等々...です。
音楽は、洋楽、邦楽問わず70年代、80年代を中心に聴いてます。初めて行ったLive Concertが1979年のエリック・クラプトンです。好きなアーティストはボブ・ディランです。
格闘技(UFC)とソフトバンク・ホークス(野球)の大ファンです。
遅ればせながら、話題の『複眼人』を読みました。のっけから突拍子もないことを言うようですが、Singerのボブ・ディランがなぜ?ノーベル文学賞を受賞したかが、この本を最後まで読むとわかります。(笑)。
色んな方々が既に、いくつもの素晴らしいレビューを投稿されておられますのであえてストーリー、内容にはふ…
『社会生物学』という著者畢生の大著の短い序章「遺伝子の道徳性」は、カミュの次の言葉ではじまる。「哲学において真に重要な問題はただひとつ、自殺である」
1859年、チャールズ・ダーウィンが『種の起源』を刊行した。これは生物学に革命をもたらした。 「種…
読書会の課題本が『ライ麦畑でつかまえて』でした。野崎孝訳は既読でしたので今回は初読みの村上春樹訳で参加してみました。
異なる翻訳者を読み比べると非常に面白かったです。 一例を上げます。特徴のある人間の顔の容貌を二人の…
4.5トンのプルトニウム爆弾は、TNT爆薬(トリニトロトルエン)2万1千トンに匹敵する衝撃力であった。
その日の朝、空襲警報は解除された。多くの長崎市民は日常の日々の暮らしに馴染んだ。 洗濯物を干し、新…
今年は、戦後80年ということで図書館には、コーナーが展示されており、そこで手に取った一冊です。
この雑誌は、14年前の2011年に「太平洋戦争から70年」をテーマとして文学者のその責任の一端を切り…
最初の数ページに「死装束」「死に向かって」 「死の方に」「死を遂行」「死に行きつく」「死の完結」「死の方につきやる」「巨大な死」という言葉が矢継ぎ早にでてくる。
木造で一人乗りのモーターボート「震洋」は、水上特攻部隊で、艇首に約二五〇キロの 炸薬を積み込み、敵…
文章の興りは、自然とともにあり、音の韻律は天地のはじまりと同時に生まれた。それゆえに、天の星々が文章をつかさどり、太陽と月が輝くようにしてその章(しるし)が明らかになる。
日本における仏教の宗派は、大きく分けて「十三宗五十六派」でこのうち、「十三宗」は、法相宗、律宗、華厳…
最後のさとこ虫さんの「あとがき」は、高校美術部時代の体験が語られ、その繊細な感性の慧眼さに心うたれた。素晴らしいあとがきでした。
本のサイズはおよそ137×190でA5判をやや小さくした大きさとなっている。一般書のサイズとほぼ同等…
傍目には水と油のような関係にみえる七〇年代の中頃から現代文学を牽引してきたこの二人の作家の共通項とは?
この評論集は、第一部『六〇年代への葬送』 第二部『終わりの彼方へ』第三部『アジアと歴史への眼差し』…
この作品集は、2008年から09年にかけて編集部が作者に聞き取りインタビューを実施し、最終的に著者校正を経たものです。ですからエッセイ風とはいえ古井さんの文章にしては頗る読みやすいものとなっています。
古井さんの文学観や、中上健次や若い作家との交友録なども織り交ぜた希少な内容です。 その繊細で骨太な…
作者のレヴィストロースへの畏敬の念が随所に見られ、そこにも心うたれました。面白い本でした。一読をお薦めします。
今から四万二〇〇〇年前、【ヒト上科】の霊長目の分類群に属するネアンデルタール人が忽然と姿を消した。W…
ラストシーンは丸山健二流のファンタジーでもある。そこには、小さな救済が込められていた。
東日本大震災の二年後にでた本である。岩波書店創業百年記念文芸と銘打たれている。丸山健二の本を読むのは…
「網野史観」に共鳴した宮崎駿は、それを「もののけ姫」に結実させ、網野善彦と対談している。
この国の歴史のターニングポイントは、701年である。大宝元年=701年に「大宝律令」が制定され、〇〇…
2011年の東日本大震災からしばらくして被災地からラジオ局に「アンパンマンのマーチ」のリクエストが殺到したという。
「ある日を境に逆転してしまう正義は、本当の正義ではない」「もし、ひっくり返らない正義がこの世にあると…
「自由」と向き合い、主体的に生きる生き方の重要性をを説いたフロムの思想は、現代を生きる高齢者の私の心にもかすかな勇気をもらったように感じました。
この本が上梓されたのが戦前の1941年であるという事実にまずは驚かされるが、その慧眼な未来社会を透視…
どこにでもあり、どこにでもない真の自由と愛をもとめて登場人物たちがかけめぐる人類の発現と進化を巡るクロニクルSF思弁連作長編小説である。
百年でもなく、千年でもなく、万年でもなく、孤独でもなく、愉楽でもなく、記憶でも追想でも実存でもないお…
訣別電報の辞世は『国の為重き務を果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき』ではなく『国の為重き務を果し得で 矢弾尽き果て散るぞ口惜し』に改ざんされていたのでした。
この作品は2005年に発行され翌年第37回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しました。20年前のことで…
この作品は2024年 第22回 開高健ノンフィクション賞受賞作品でもある。選評で加藤陽子、姜尚中、藤沢 周、堀川惠子、森 達也氏らが絶賛している。抜粋して以下にいくつか紹介します。
圧巻だった。調査報道の見本だ。最優秀な作品として推すことに全く異論はない。 ──森 達也 (映画監…
最初の数ページを読んで、奥田民生が曲をつくり、井上陽水が作詞した「アジアの純真」のあるメロディーとフレーズを想起した。
冒頭に様々な白についての記述がある。 おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき、こおり…… 最後の15項目が…
読み終わったら、読者はきっと茄子のカレーが食べたくなるはずだ。
登場人物を簡単に紹介します。 主人公は長坂誠。65歳。職場は食品会社の物流倉庫。理由ありのバツイチ…