お月さんのシャーベット
「それは それは ねぐるしい 夏の ばんやった。 あつくて あつくて ねるどころか どうしようも あらへん。」
覗いちゃいけない他人の家の窓の中。 窓の明かりがこぼれる道を歩きながらとか、町並みギリギに走る電車…
本が好き! 1級
書評数:51 件
得票数:1038 票
2022年4月から参加しました!宜しくおねがいします。
一貫性のない本棚を持っています。最近は、ノンフィクション系・エッセイ本を好んで読んでいます。児童文学やハウツー本も好き^^ 2022/04/03
「それは それは ねぐるしい 夏の ばんやった。 あつくて あつくて ねるどころか どうしようも あらへん。」
覗いちゃいけない他人の家の窓の中。 窓の明かりがこぼれる道を歩きながらとか、町並みギリギに走る電車…
「たぶん、いまもぼくの半分は数字でできていて、それが人を拒んでいる、そういうところがあるのだと思う」
1977年のはじめラウリ・クースクはエストニアの首都タリンからすこし車で走ったところにあるボフニャ村…
ヴァイオリンのG線を男性に、E線を女性に見立てて、2本の弦だけで奏でられる愛の情景。 この曲に登場する女はいったい誰なの?ナポレオンの妹エリザは嫉妬にかられた。
スイスで最後の魔女裁判が行われた1782年。アルプス山脈を越えた北イタリアの港町ジェノヴァで、ニコロ…
「目黒区月光町に4畳半の部屋が一つだけあった。 その隣に洗い場があり、干し場があり、小さな店舗があった。 洗濯屋の家族5人が、そこで暮らしていた。」
日本植民地時代の朝鮮半島に生まれ、戦前・戦中・戦後を生きた主人公尹紫遠(ユン・ジ ャウォン)と家族…
「いったい、誰がこんなにすごい「ライナー・ノーツ」を書いたんだろう!」
「東京で音楽記者をしていた頃のこと。発売されて間もない、ボブ・ディランの『血の轍』のテスト版をレ…
10年をかけて素材をみつけ紡いだ7編の動物創作集。
動物を扱った小説をまとめて単行本にしたいと、10年をかけて素材をみつけ紡いだ7編の動物創作集。主人公…
「あの秘密の部屋は開けてはいけないの、あそこは父さんにそなわっている魔法の力が溜っていく場所なのだから」
開けてはならない父の書斎、そして幾度も繰り返される魔法、悪魔、沈黙、苦悩、死などの言葉が、物語の前半…
アンヘル、ほら、月が出ているだろう。あれは死者たちの太陽なんだよ
窓から見える小学校の教室の教壇は、戦いがはじまる朝までアンヘルが立っていた場所だ。穏やかな自然に守ら…
石原慎太郎はなぜヤクザの生涯を書いたのだろう?ふしぎというか不意打ちをくらったようだ。
‘長いあとがき’には、読者の疑問を見通したように、 「晩節の私が今さらこんな本を書いたことに世間は…
「窓の下で黒猫が鳴いた日、ぼくは四十そこそこだった。」
その日一匹の猫が窓の下で鳴かなかったら──。 あれはいま思えば特別な一日だった。 「 開け放…
膨れあがった自尊心が行き場を失い、痩せ衰えた皮膚を突き破り、気づくと李徴は四つ足で駆けている。野獣と化したらしい口の周りには小動物を喰った血が滴っていた。唐の時代のおそろしい変身譚。
豊かな知識とすぐれた才能をもった李徴(りちょう)は、若くして科挙(中国の官吏登用試験)に合格し役人に…
「詩人は、詩を書きながら詩を超えたものに渇いているものだ。むしろ、その渇きの故にこそ、詩人は詩を書くのかもしれぬ。」
「詩人にとって、詩という一語は、彼の決勝点であり、彼の理想であり、時には彼の神でさえある。だが、…
夜中の午前2時過ぎ・・・14才の寮生4人組の大脱走が始まる。規則を破る背徳感とスリルそして達成感。それは高校を卒業するまで密かな楽しみであり続けたとか。えー、そんなこと書いて大丈夫?あっもう時効だね!
本書は、イアン・ソープに憧れた全盲のパラスイマー木村敬一が、パラリンピックのメダリストになるまでの日…
『祖国を奪われた人にとっては、セカンド・ランゲージはセカンド・チャンスなのです』友を思う「私」の言葉は、渦中にいる人にしか思いつかない切実な一文だと思う。国を追われるということは言葉を失うことだ。
内戦の続く政治的に不安定なアフリカの小さな島からオーストラリアへ逃れてきた難民サリマと、自らの夢をあ…
フレディはどこにいる?
春、生まれたばかりのフレディは春風に誘われくるくると踊る。 夏、フレディの葉先は力強くとがっていて…
まだ会社員だったころ、正月に行くあてもなく千住の土手を歩いていたとき、枯れた草むらで石を築き鉄鍋で雑煮をしている男を見た。翌年の正月も同じ場所へ出かけて行くとその男は激しい怒りの目で私を見るのだった。
大学をでて広告会社へ勤めた男は、広告取りに歩く毎日にうんざりしていた。自分の人生が社会の平凡に浸食さ…
囁くような泣きたくなるようなエディット・ピアフの“愛の讃歌/ Hymne à l'amour ”が、物語の初めから微かに聞こえる。愛の讃歌をフランス語で歌う少女はシャンソン歌手になるはずだった。
『のどの奥の突起物、いわゆるのどひこ、あるいはのどちんこを自分の意志によって震わせ唄っているのだ…
「長編では味わえない、“らしくない”ドストエフスキーに出会える珠玉の4作」 のキャッチコピーに惹かれて、ほぼほぼ初めてのドストエフスキー
● 白夜 感傷的な小説(ある夢想家の思い出より) 若き夢想家の男と美しく溌剌とした十七才のヒロ…
激しくバスの窓を叩く雨音と大方の生徒が下車していった安心感から車内でふと気が緩んだ僕はあるメロディーをハミングした。「それ、『大脱走』のテーマでしょ?」
・太陽がいっぱい─PLEIN SOLEIL 後ろのシートから突然声をかけられ、ハミングを聴かれ…
ほら、みて!表紙の市電の窓からこっちをじぃーと見ているのは、夏目漱石と芥川龍之介 だよ!昭和初期の東京を舞台に書かれた物語は街のトーンがセピア色にみえるから怪奇色 がうすく漂っていてゾクッとする。
スリラーか?ミステリーか?奇々怪々とした日常に潜む邪気たちがなにかの拍子に現れ る。彼らの目の奥を…