ショーン・タンの絵本。
太古から現代まで続く犬と人との絆。
それはいつ、どんな風に始まったのだろうか。
定かにはわからない。
人間の「わたし」と犬の「きみ」は、お互いに興味を持ち、歩み寄り、ふれあい、そしてともに時を過ごすようになる。
やがて、「きみ」は世を去り、「わたし」も死ぬ。
2人はまたどこかで会えるだろうか。
以来、いろんな「わたし」、いろんな「きみ」が出会っては、歩みを共にし、別れる。
そうやって連綿と、人と犬の間で絆が結ばれてきた。
出会っては別れ、別れては出会い。
犬との暮らしの楽しみは散歩だ。
犬にはお待ちかねの、けれど人にだって飛びっきり楽しい時間なのだ。
犬は勇んで歩く。人も並んで歩く。
今日は何が待っているだろう。いろんなワンコに会えるかな。ネコは通るかな。カワセミはいつもの場所にいるだろうか。
いつものコース。けれど、毎日何かしら違うことが起こる。
犬は誇らしげに行く。
世界はぼくらのものだ!
見開きに、詩のページと絵のページ。
どちらもゆっくりと味わう。詩も奥行きを感じさせるが、絵も1枚1枚、物語を内包する。
見返しの絵も楽しい。
*hackerさんのレビューで知りました。ご紹介ありがとうございました。
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