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舞台、演劇に憧れる。憧れは、色んな行動で表現される。

掌に眠る舞台
 舞台劇で、演じる様々な人たちや、舞台を作る人たちと何等かのきっかけで、舞台劇に憧れた人たち、この人たちには多くの人たちと全く異なる生きる姿がある。しかし、演劇大好き、夢中になる人たちは何とかして、演劇に生きる人々の世界に触れたい、できれば今の世界から飛び出て、演劇の世界で生きたいという気持ちがある。しかし、此方と彼方の間には、小川ワールド独特の儀式がある。その儀式に触れることはできるが、入り込むことはできない。

 そんな世界を描く、8編が収録されている。

 ローラ叔母さんは、祖父の元妻の連れ子。家系図の中でも、端っこの方にいる女性。そんなローラ叔母さんの家に主人公は受験のため4日間世話になる。ローラ叔母さんはその昔女優だったと聞いたことがある。

 驚いたことに、叔母さんの食事をするときの食器には、すべてに劇での叔母さんのセリフが書かれている。そして毎日編み物を一針だけ縫う。決して二針以上縫わない。それで何年もかけてセーターなどを完成させる。

 それは、女優で存在することの確認と儀式。

 ある劇がロングランで舞台にかかる。主人公の女性は、79回すべてのチケットを購入し、全舞台を観劇する。俳優、舞台人といっても人間のやること。毎回全く同じということにはならない。その毎回違うところを79回すべてみて、克明にメモする。ここにも一般人と舞台人との間に超えられない差がある。

 主人公は舞台のパンフレットを購入することに夢中になる。でも、舞台そのものを観劇することはない。そのパンフレットに出待ちして役者のサインをもらうことに熱中。

 で、主人公の出待ちは、一般のファンとは異なり、深夜舞台の明かりが消えるころ出待ちをする。そんな時でてくる俳優は、村人Aとか町人Bとか端役。それが素敵と主人公はサインをもらい大切に家に持ち帰る。

 なんとも、不思議な小川ワールドに目が眩んでしまう。
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  • 掲載日:2026/05/06
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