このシリーズで最も凶悪かつ手強い敵役のユレックは死んではいないのではいか? そのような恐れにとりつかれたヨーナは、娘を守るために娘を連れて姿を消し、かつてのヨーナの軍での教官を頼ります。
教官は半ば要塞化した家で暮らしており、そこでユレックを迎え撃とうという考えです。
一方の捜査陣はユレックが生存しているのではないかというヨーナの読みを段々信じるようになっていき、ユレックの所在及びその仲間と思われる者の割り出しに全力を投じるのですが、これがなかなか尻尾を出さない。
潜伏生活が長引くにつれてヨーナの娘にも不満が溜まってきます。
父親に危険なことをして欲しくはないけれど、こんなことを続けていても解決にならない……。
そんな娘の思いを受け止めたヨーナは、遂にユレックと対決する途を選び、娘を元教官に預けて捜査官の仲間達の元へ戻るのです。
その後はヨーナも交えたユレックとの対決が描かれていくのですが、捜査官側にも多大な犠牲が生じてしまいます。
そして遂に捜査官の前にユレックは姿を現すのです。
上巻からユレックは本当に死んでいないのではないか? という恐怖は延々と描かれましたが、タイトルがタイトルですので、やはりユレックはまだ生きているのだろうと推測して読み進めることになります。
ユレックって、トマス・ハリスの
『羊たちの沈黙』に登場したレクター博士に匹敵する悪役になってますよね~。
ラーシュ・ケプレルもこれだけシリーズを書き続けてきて、いよいよ最大の敵をもう一度引っ張り出す決意をした作品というところでしょうか。
本作の終わり方には含みが持たされています。
現時点までに書かれたシリーズの残りはあと二作。この二作でこの含みに基づいて作品を展開することになるのでしょうか。
シリーズ四作目からは緊迫感が持続する良いシリーズに育っていると感じます。
読了時間メーター
□□□ 普通(1~2日あれば読める)/379ページ:2026/03/19
* ヨーナ・リンナ・シリーズ
1 催眠(上)
催眠(下)
2 契約(上下)
3 交霊(上)
交霊(下)
4 砂男(上)
砂男(下)
5 つけ狙う者(上)
つけ狙う者(下)
6 ウサギ狩り人(上)
ウサギ狩り人(下)
7 墓から蘇った男(上)
墓から蘇った男(下)(本書)
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