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DBさん
DB
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調和を生み出す比の本
ダイアグラムってそもそもなんだっけ、と思いつつ本を開いたら、最初に登場するのは首を切り落とされたメデューサの傷口から生まれたペガススだった。
それはまるでユニティが分割されて数が生まれ出でるのにも似ているそうだ。
ペガススは生まれてすぐにムーサの女神たちが住むヘリコン山へと飛んでいき、山腹に蹄を打ちつけて「霊感の泉」を湧きださせたという。
果たしてダイアグラムが生み出すのは何だろうか。

まず最初に完璧な割り算として1:φ(0.618)となる黄金比が出てきます。
そして算術平均、調和平均、幾何平均の概念とこの三つを兼ね備えた黄金数列について、また図形を分断する対角線について解説していく。
ダイアグラムとは幾何学と和声のマリアージュのことで、正方形に八本の半対角線を引いてできる図のようなものを指す。
文章で読んでいてもなかなか理解が追いつかないが、図を見るとなるほどと思うのはまさに百聞。
三辺の比が3:4:5の三角形は「宇宙を作る建築用ブロック」と呼ばれているそうで、ピラミッドの寸法に用いられているそうですが、ダイアグラムの中にはいくつものこの3:4:5の三角形が内包されている。
さらにダイアグラムには弦の長さとオクターブの関係である自然に2分の1が生成する原理も示されており、これぞ魔法陣といった雰囲気だ。

ムーサの女神が住む山であるヘリコンにちなんで名づけられた楽器のようにダイアグラムの一部を再現する楽器、エジプトのアビドスにあるオシリス神殿の構造と音楽や建築の中で使われているダイアグラムも紹介されています。
そして古代エジプトの壁画や古代ギリシャの人物像のように、ダイアグラムを反映させることで完璧なプロポーションを作り出していく方法を解説していきます。
これを「人体の規範」としているが、よく音楽で出てくるカノンが規範という意味だと初めて知った。

ゴシック建築の技法を書き残したヴィラール・ド・オヌクールの画帳には、大聖堂建築のために石工たちが利用した幾何学が書き残されているそうです。
コンピューターで計算しなくても何トンもの石の建築を積み上げてそれが何百年も残っているということに、ダイアグラムの完璧さがうかがい知れる。
美術の中のダイアグラムや透視図法との関係、それにファレイ数列の図とダイアグラムについても書かれていて面白かった。
自然と調和を生み出すダイアグラムの本でした。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2130 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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