本が好き!ロゴ

閉じる

日本の常識は世界の非常識かもしれません

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!免許皆伝
  • 外国人材マネジメントの理論と実践:8か国・2,000人の工場をまとめたリーダーの行動原則
  • by
  • 出版社:中央経済社
外国人材マネジメントの理論と実践:8か国・2,000人の工場をまとめたリーダーの行動原則
著者は、早稲田大学を卒業後、カナダの名門マギル大でMBAを取り、マレーシア複合企業で、ミャンマーで水産加工場の立ち上げを経験した後、幼少期からの異文化経験と多国環境における現場の実践を理論的に体系化し、現在はAmiways Company limitedの代表取締役として、日本企業のグローバル人材育成と海外拠点支援を専門にコンサルティング、企業研修を実施しているという。

 コンサルティング、企業研修で日本人管理職からよく聞くのは、
--「日本では通用したマネジメントが、海外で全く機能しない」--(p010)
ということだそうだ。これについての著者の気づきは、【異文化環境における困難の正体は、単なる言葉の壁ではなく、もっと深いところにある「当たり前」の違いだということ(p010)】だという。そう日本の常識が他国では非常識になりえるのである。例えば、マレーシアのプロジェクトで現地の同僚はほぼ毎日遅刻するのに全く悪びれないし謝らない。日本人は、そこで怒るが、マレーシアの同僚にとっては多少の遅刻は謝罪を必要とするような問題ではないらしい。(pp010-011)

 次にインド人の製造マネージャーは日本人の同僚や部下たちが残業しているときも、いつも定時で帰るという。日本人ならチームが困っているときに帰るのは「責任感がない」と考えるというのが著者の考えである。(p011)まず思ったのは--「昭和か!」--ということ。私は、国内の企業の管理職しか経験がない。たしかに昔はそのような考え方が主流だったし今でもそのうように考える人は多い。しかし、私は用が済んだらさっさと帰れと言っていた。そうでないと無駄な残業代が重なるだけだ。ブラックな企業ならサービス残業になるのかもしれないが、今時まともな企業ならそのあたりはしっかりしている。残業は無能の証拠だし仕事を手伝うのは、その人が成長するのを妨げていると思う。これはマネージャーと言えども例外ではない。それにもし人員が足らずに慢性的に残業をやらざるを得ないのなら、それは経営者の仕事だ。それができないなら、ブラック企業と言われても仕方がないと思う。

 最後に、日本では報連相とよく言われるが、オランダ人スタッフは頻繁な報告は「信頼されていない証拠」として受け取るという。(p011)

 このように国によって考え方が違うが、どの基準が間違っているというようなことではない。国により前提や考え方が違うのだ。しかしだからと言ってすべて向うの考え方に従う必要はないと思う。特に物を輸出しようと思ったら作る国の常識より、使う国の常識が優先されるのは明らかだ。それなのに、作る国の常識を持ち出されてはまずいだろう。だからゆずるべきところはゆずっても、ここは絶対外せないというようなところは、契約でしっかり縛り、それが守れない人は、雇うべきではないし、既にやとっていればどうしても改善できない場合は、やめてもらっても仕方がないと思う。それとも契約は守らなくてもいいという文化の国があるのだろうか。もし、そういる国があるのなら、そこに進出するべきではない。大事なのは、その国の常識を十分理解して判断することだろう。そして粘り強くコミュニケーションを深めていかなくてはならない。決して自分の常識で判断してはならないのである。
  • 献本書評  本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
  • 掲載日:2026/04/20
投票する
投票するには、ログインしてください。

この書評の得票合計:8

参考になる:8票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

    No Image

    コメントするには、ログインしてください。

    外国人材マネジメントの理論と実践:8か国・2,000人の工場をまとめたリーダーの行動原則 の書評一覧

    取得中。。。