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Xで「昔の風俗をつぶやくよ」「昔の芸術をつぶやくよ」を載せている趣味人。名画だけでなく昔日の何気ない人々の姿を、楽しい解説と共に一冊の本として纏めている。

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
カラー版 名画でわかるヨーロッパの24時間 (1098)
著者はXで昔の芸術をつぶやくよ昔の風俗をつぶやくよ等の美術サイトを載せている趣味人。

古今東西の名画だけでなく、庶民の何気ない一瞬を切り取った画を多く載せられている楽しいサイトで、教養溢れる解説と、その楽しい雑学知識は楽しいものが有ります。

本書は近代ヨーロッパの一日を、様々な画で切り取った楽しい一冊となっています。

先ずは朝起きたらお祈りですね。 ミレーの傑作「晩鐘」をひいて解説されていますが、カソリック教徒にとっては、朝・昼・晩の「アンジェラスの鐘」にあわせた祈りは何処に居ようと欠かせないもので、「晩鐘」はその夕刻の祈りの風景ですが、当然朝も昼もお祈りしていた訳で、まぁ最近のXなどでは、イスラムのアザーンにあわせた祈りの習慣を突っつく投稿もを見かけますが、別にムスリムに限らず、日本でも朝にお念仏を唱えるという十代目柳谷小三治「小言念仏」様な風景も有ったものです。

さて、神様にご挨拶したら……今度は下のお世話で、ルイ・レオポルド・ボワイが描く「トワレ・イン・タイム 花びらの散った薔薇」(本書のカバーともなる優雅な貴族の女性の姿)です。
著者も言及していますが、先日読んだ歴史のなかの奇妙な仕事でも書かれていましたが、「国王のトイレ係」が要職だったとか、(まぁ何処へでも付いて行って、いつも側にいる訳ですから、相当信用が無ければ無理ですね)
それで思い出したのは、母から聞いた祖父の話で、開業するまで京都の府立病院の内科医だった祖父が、まだ病院に居た頃、大正天皇妃だった貞明皇后がご視察に来られ、その一行の中に、おまるを捧げ持つ女官と、簡易式テントを保持する侍従が居たという話を覚えています。
まぁ尊いお方も「出物腫れ物所構わず」という事で、偉くなればそれなりに大変だというお話でしたm(__)m

著者は絵画を大雑把に歴史画・肖像画・風俗画・風景画・静物画等に別けていますが、中でも風俗画が好き(この辺は僕と好みが一緒)との事で、これは著者を気に入るきっかけとなったつい人に話したくなる名画の雑学などでその辺が良く解ります。

ところでここに描かれているお洒落の一つに帽子が有ります。あまりお洒落には関心がない僕ですが、ウェスタンで馬に乗っていた為にウェスタンハットや夏場に被るストローハットなど結構楽しんでいます。

さて、著者は上流階級の女性の趣味として「刺繡」を取り上げていますが、実はこのお稽古事には上品さや忍耐強さのアピール以外にもう一つ重要な要素がありました。特にタンブール刺繍は、左手で枠を支え、右手で針を持つと……ホラ不届きな求婚者は側に座って彼女の手を……握る手が塞がっていますね……怖いパパにはこういう狙いも有ったのです。
更に音楽のお稽古として人気が有ったハープ……これはあのデカいグランドハープを抱えていると、ホラやっぱり手が出せません……更に言えばハープって持っているだけで上手そうに見えるんですよ……ポロロンって掻き鳴らすだけで( ̄ー ̄)ニヤリ

さて、著者は死刑制度にも言及していますが、書かれている通りギロチンは非常に人道的な死刑具だったのです。 避けたい死刑法として車割きを挙げていますが、実は斬首から絞首に変えたばかりの明治時代、我が国では板に穴をあけてロープを通し、先端を輪にして囚人を少しずつ吊り上げて……ウーン仲間内では余りにも時間が掛って苦しそうと避けたい死刑ナンバーワンとなりました。

そして描かれるバックギャモン……これはこれは古代エジプト発祥のゲームですが、西に伝わったのがバックギャモン……東に伝わったのが双六で、面白い事にバックギャモンも双六もチェスや将棋と異なり様式があまり変わっていない事です。
そしてその面白さと賭博性の高さで東西両方で禁止令が出ています(まぁ守られませんが……)実際その面白さは……やる機会が有ればぜひ遊んでみて下さい(ただし、ダブル・リダブルに誘われても受けない様にね。)

そして次のページでは……なんとビリヤードが……しかもアメリカ式のポケットではなく英国式のキャロム・ビリヤードです。描かれているプレーは白二つ赤一つのボークラインかスリークッション(台の形状からスリーではなさそうです。そして今の英国では圧倒的にスヌーカーが人気が有ります)

いやはや、今回も色々とお喋りが過ぎてダラダラした文章になっていますが、一般の教養として是非一度手に取ってみて下さい。風俗画の楽しさが解りますよ。
    • これがタンブール刺繍です。両手が塞がっていますね。
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  • 掲載日:2026/01/29
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