世界各地で星座は作られてきたが、2025年現在、国際天文学連合が制定している星座は全部で88個ある。それらすべてについて、一つずつ成立の背景やその星座にまつわるエピソードを紹介している本だ。
88個の内訳は、プトレマイオスが制定したものがいちばん多く、その他にも何人かの天文学者が作った星座が残されている。そして、星座の由来のエピソードはたいていがギリシャ神話だ。ひとつの星座に対して複数の由来(とされているエピソード)があるため、本書ではそのうちのいくつかに絞って紹介されている。由来が少ない星座の場合、他の星座と同じエピソードが重複して載っていることもあるが、横文字を覚えるのが苦手な私には優しい仕様だった。
さらに、「現存はしないがある時代には制定されていた星座」がいくつか掲載されているのも興味深い。星座の命名が、かつてヨーロッパではパトロンの権威付けに使われていたことがよくわかる。
また、星座紹介の後にはいわゆる「星占い」に関する項目も立てられている。占星術と天文学がなぜ分かれたのか、「ホロスコープ」とは何なのかがかんたんに紹介されていた。この辺りの記述はどこまで正確なのか定かではないが(そもそも占いに正確性を求めるのもナンセンスかもしれない)、興味関心のとっかかりとしては良い読み物だと感じる。
88個の星座の名称・由来をさらっと押さえておきたい際に適した本だと感じた。本書をベースに、例えば古代中国で作られていた星座や、古代日本で作られていた星座を調べてみるのも面白そうだ。
(書評執筆日:2025年8月21日)
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