栗は、そのまま食べるとしぶい。
だから加工し栗きんとんなどにし食べやすくする。
探偵体質の人に恋は似合わない。
それでも普通になりたいから恋人を作る。
これは栗と栗きんとんの関係に似ている。
小鳩くんと小佐内さんは探偵体質の人たちで、目立ちたくないから小市民になりたいと思っている。その二人が事件解決するのが本シリーズで、春、夏、そして、本書の秋と続いています。つまり三冊目です。
今回は小鳩君も、小佐内さんも別々に恋人を作ります。小佐内さんの恋人は新聞部で、この地域では連続放火事件が発生していて、それの発生場所のパターンを解明しました。小佐内さんは陰ながら手助けしています。
その事件の謎解きが本書の核になりますから触れませんが、今回は主人公の二人に恋人ができたというのがポイントになります。
恋人ができる、それはつまり普通になるということに思えるのですが、小鳩君のは恋とは言えないでしょう。恋人が二股・・・どころか三股していても何も感じない。逆にそれを知られた彼女が自分は愛されてはいないと落胆し別れようと思うのです。
探偵気質の小鳩君なら簡単に自分で推理できたし、ヒントになるような感じのことも出ているのに気づかない。歩く放送局みたいな女子から恋人のダークな噂さを知らされても気にならない平然としている。これは相手に恋していないということです。
これは小佐内さんも同じで、彼女の場合、途中までは好意的なのですが、途中からは彼氏を破滅させようと動いてまして極悪です。
しぶい栗が見せかけだけ栗きんとんのふりしてもダメってことなのでしょうか。
ミステリーとしても、変な二人の恋話としても楽しめる物語でした。
2026 5 5
この書評へのコメント