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追悼・久米宏。報道の素人をウリにして始まった「ニュースステーション」だが、その視聴者目線、難解な言葉を使わない解説は確実に時代をとらえていく。それは著者にとって「部活」であった。

  • レビュアー: さん
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  • 久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった
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  • 出版社:世界文化社
久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった
 バラエティ担当のTBSアナウンサーだった著者が、テレ朝で「ニュースステーション」を立ち上げた時の予告を何となく覚えている。「ニュースが変わります」と言っていた。

 人気アナウンサーの半世紀。とはいえ、「ニュースステーション」についての頁は半分近く。確かにラジオっ子だったろうが、著者の最大の代表作といえるのだろう。

 アナウンサー志望でもなく、アナウンサーになって2年で結婚、翌年には結核で治療しながら表に出ない電話番の仕事を続ける。淡々と書いているが、世間にぼちぼち名を知られ始めた頃の試練が一体この人にどんな影響を及ぼしたのだろう。

 実際、「ぴったしカンカン」や「ザ・ベストテン」などでの軽快な語り口は、闘病期の辛さや家庭人としての落ち着きは感じなかった。

 ベストテンの裏話として、初回に山口百恵が11位と12位にランクされ、出場できなかったとのこと。人気絶頂のアイドルが時間を空けて待っているのにスタジオに呼べなかったのが、むしろ視聴者に公正さを知らしめる結果となったという。
 その恩人ともいえる百恵のお尻をつかむという暴挙は現在なら二度とテレビに出ることは許されないだろう。それも、「キャッ」じゃなく、「ギャッ」という素顔をお茶の間に見せたいがために。

 それはサブタイトルでもわかる通り、予定に無い行動・質問で相手の知られざる一面を見せることにつながる。「ニュースステーション」でも自民・梶山幹事長はじめ大物を怒らせながら、何度も出演してもらったのはそういうことなのだろう。

 報道キャスターが黒子から顔に躍り出た、そういう面でも忘れえぬアナウンサーであるだろう。
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  • 掲載日:2026/01/26
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    取得中。。。