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さすがに初読みから四半世紀経ったので、印象はところどころ変わったが、貞子の念像の不気味さや、背後から来る恐怖のくだりは今読んでもなかなか怖かった。#カドブン

リング
掲示板企画「『発見!角川文庫70周年記念大賞』を新規書評で制覇するぜ!」の中から本書を選んだ理由は懐かしかったから。と書くと、まるでよく覚えてるように聞こえるかもしれないが、私が覚えていたのは「念写」「ビデオ」「来るきっと来る~♪」「なんか覚えてないけど怖かった」のみ。

というわけで、再読だけど、ほぼ初読みに近い記憶力で読んだ。

当時、この本はほんとに流行っていた。
私はホラー小説はほぼ読んだことなかったので、夜22時頃、真っ暗な山の中を走る、乗客少ない田舎の電車の中でこれを読んだ時は「こんなにこわいのか…!」と思ったものだった。
なぜ彼らは死んだのか、次々と明かされる不審な死の謎、原因、そして、結末。
「お、面白かった…!そして、こわい…(いろんな意味で)」と当時思ったものだった。

で、今、読んだ。
すごい勢いで設定を忘れていた。
どれくらい忘れていたかというと、主要キャラの高山すら忘れていた。
貞子の性別とか、天然痘とか、リゾートとか、井戸で…とかいろいろ忘れていた。
とは言え、ある程度ネタバレ読者なので、
「ああ!そうだった!そうか!それであれが…」という思い出し連鎖という
初読みとはまた違った面白さを味わった。
念像の表現はやはりこわかった。というか、不気味というか。
あと、ビデオを見ている時の感覚もこわかった。
それに、貞子絡みの設定もなかなかの不気味さだった。

ただ、少し引っかかったのは、
どの登場人物にもまったく感情移入できなかったのと
謎も次々とハイテンポで解明していくわけだが、
今、読むと、どうも出来過ぎ展開だな…という感じが否めなかったことだ。
これはネタを知ってるからなのか、年月のせいなのか、年を取ったせいなのか…。
そして、「ビデオ」というものがどこまで伝わるんだろうか?というのが気になった。
最近、昭和の作品を読む時に意外とネックになる当時の流行りもの。
昔は当たり前のものだったのに、「それなんですか?」状態のシロモノ。
「カセットってなんですか?」と聞かれて衝撃だったという話を最近聞いた。
カセットと同時代に大活躍のビデオは大丈夫なんだろうか?
私は知っているけれど、
「裏ビデオ」「爪を折る」「ベータとVHS」はわかるのだろうか?
安売りの3本パックの録画用ビデオテープは伝わるんだろうか?

あのブームを考えると、1990年代1位はものすごく納得なので、
どう感じるにせよ、ぜひとも一回は読んでおいてほしいが
最終的に一番気になったのがそこだった…という残念な読者のワタクシだった。
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  • 掲載日:2018/11/27
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