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九尾の狐プラス現代科学に立向うミナト

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
  • 0能者ミナト<11> (メディアワークス文庫)【Kindle】
  • by
  • 出版社:KADOKAWA
0能者ミナト<11> (メディアワークス文庫)【Kindle】
0能者シリーズ第11巻。「嘘」「狐」「驚」の3話を収める。実質的には「驚」は「狐」の後日談なので、2話。

第一話「嘘」。葉瑠という中学生の女の子が引きこもった原因に怪異があるのかないのか、大勢の専門家たちが調査に来る。異口同音に娘の虚言と結論。ただ、湊だけは違う。状況証拠だけで判断しない。

〈怪異の気配がないイコール怪異は出現しなかった〉とは判断しない。〈怪異の気配がないからといって怪異が出なかった証拠にはならない〉と述べる。

また、娘が嘘を言っているとしても怪異が現れていないとは判断しない。その両方が成立する説もありえるから。どんな嘘をなぜついたのか。怪異が現れた日時を変えて話している可能性はないのか。日時を変えたとしたらなぜなのか。

さまざまな思索をめぐらすうちに、物語は意外な展開に。



第二話「狐」。殺生石が出てくるのは本シリーズの第5巻以来だが、日本三大妖怪の一つ、殺生石の語から連想するあらゆる可能性をはるかに超えた、現代科学との接点まで登場し、度肝を抜かれる。

九尾の狐の死骸である殺生石の力を封じるべく、前回に効力を発揮した、さまざまな対策をあらかじめ指定しておいたのに、現場に行くとなぜかすべて逆になっており、むしろ九尾の狐の能力が全開となりかねない状況になっていた。

なにかがおかしい。御蔭神道の責任者である神官も現場にいるというのに。

九尾の狐の力を封印すべきなのだが、それとは逆に、殺生石が着々と修復されてゆく。危険きわまりない。

湊たちが現場に到着すると、なんと九尾の狐の体が、石でなく別のものだった。したがって、沙耶が梓弓から放つ霊力の矢が効かない。

表面が割れた中から赤い光があふれだす。湊は狐の体が普通でないことを見抜く。あれは綱玉だと。綱玉(ルビー)はダイヤモンドの次に硬い鉱石。ルビーはレーザーの媒体にもなる。

さらに、狐は湊たちのいる空間を閉じた。湊たちは閉じ込められたのである。ユウキの結界も効かない。

ついには、湊が〈この空間内で、ルビーの体を破壊する手段は、ちょっと思いつかない〉とまで言う。防戦一方の湊たちがいずれやられるのは目に見えている。

絶体絶命の状況を脱する手立てはあるのか。サスペンスあふれる展開で、読み応えがある。
  • 掲載日:2026/05/12
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この書評へのコメント

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    取得中。。。