もしかすると今現在も頭上を飛んでいるかもしれないほど広く使われているヘリコプターですが、その実像はほとんど知らなかったということがこの本でよく分かりました。
本書では副題にあるように「構造から飛行原理、各種形態、活用例まで」非常に詳しく解説されています。
ヘリコプターすなわち回転翼機ですが、これは通常の飛行機固定翼機と対比されます。
翼つまり浮力を作り出すものが回転しているか、固定しているかという差があります。
ヘリコプターの飛び方で特徴的なのが、ホバリングとオートローテーションでしょうか。
空中でまったく静止しているかのようにとどまることができるのがホバリングです。
強風の中での静止は非常に高度な技術が必要なようです。
ヘリコプターが飛行中にエンジンが停止してもしばらくの間は運転可能で徐々に高度を下げて着陸することが可能というのがオートローテーションです。
話には聞いたことがあったのですが、本当だったのだと驚きます。
ヘリコプターの一般的な形態では、中央部にあるメインローターとその作る出すトルクを打ち消すために後部に設けられるテールローターがあります。
しかしそれ以外にもいろいろな方式があるようで、交差反転式ローター、同軸二重反転式、タンデムローター式、ティルトローター式などがあります。
自衛隊でも用いられている大型輸送用にはタンデム式、そしてあのオスプレイはティルトローター式です。
ヘリコプターの重量物輸送能力は大きなもので、世界最大のヘリコプターのロシアのミルMI26は20tもの荷物を吊り下げられるそうです。
こういったものは山頂や橋の上といったところに重量構造物を持ち上げるのにも使われ、富士山山頂の観測基地建設などにも効果的に使われたそうです。
いろいろな方面で活躍しているヘリコプターですが、その訓練にはかなりの費用がかかり、アメリカで自家用免許を取得する場合で約310万円ということですが、それはもっとも基本的なロビンソンR22の場合で、ジェットレンジャーベル206では1200万円もかかるようです。
なお外国で取得した操縦免許は自家用機ならば飛ばせるようですが、事業用では新たに日本国内の資格認定試験を受ける必要があります。
知らなかったことばかりのようです。
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