本当に短く、1話につき1分もあれば読めてしまうのではないかと思うほどのショートショートです。
私が星新一さんの作品と出会ったのは、小学生の高学年だったと思います。
当時はSFが好きで、眉村卓さんの作品を読んでいました。
ショートショートで読みやすく、しかもSF。
読まないわけがありません。
タイトル作の「きまぐれロボット」では、不良品だと思い作った博士に文句を言いますが、それはロボットの運動不足解消のための機能であり、不良品ではないと説明されます。
「えっ、そんなオチなの?」と思いました。
まさかロボットにも人と同じようにストレス解消が必要だとは。
便利さに慣れすぎることへの忠告のようにも感じられました。
特に印象に残ったのは「ネコ」です。
奇妙な姿をした宇宙人が、地球調査のために支配者を探します。
その途中で偶然出会ったネコにテレパシーで話しかけると、ネコは慌てることなく応じ、そばにいる二本足の生物(人間)は自分たちの奴隷で、まじめによく働くと説明します。
その話を信じた宇宙人は、ネコこそが地球の支配者だと思い込み、自分の星へ帰っていきます。
私たちが当たり前だと思っている常識も、視点を変えればまったく違って見える。
力関係さえも、ネコの目線で見ればそうなのかもしれないと、妙に納得してしまう内容でした。
「大発明」という言葉には夢があって面白く、それが人の役に立つと考えるとワクワクします。
けれど、その発明品をどう使うかは人次第。
どんなに便利な時代になっても、すべてを任せきりにせず、遊び心を忘れてはいけない。
そうしなければ、いつかロボットに使われる側になる日が来るのかもしれません。
今の自分だからこそ、そんなことを考えますが、読んだ当時はきっと、
「ただただ面白い」
それだけの感想だったのだろうな、と想像します。
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