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この伝説は認識してなかった。なにげなく選んで、ひとつ覚えました。

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
さまよえる猶太人
芥川龍之介の筆。青空文庫のラインナップを見ていて、もうすぐのコンサートでワーグナー「さまよえるオランダ人」序曲を聴くし、となんとなく選んだ。

さまよえるユダヤ人、というのは磔刑のため引き立てられていくイエスを罵倒し、暴行を加えるなどしたため呪いをかけられ、イエスの再臨まで死ぬことが許されずさまよわなければならない運命となったユダヤ人のことを言うらしい。

この伝説は関心を呼ぶ題材らしく、さまざまな文学ほか芸術で触れられ、モチーフとされているようだ。wikiによれば「百年の孤独」にも登場しているとか。それに、中世以降、世界各地で目撃されているという。

芥川は日本にも来ていたはずと、文献を漁っていたところ、ついに熊本で古文書を見つけたと書いている。長崎の平戸からの船の中で、フランシスコ・ザビエルに会ったらしい。ただ1人のお供だったシメオン伊留満の口から信徒に伝えられ、だいぶ後に文書として記録されたとか。その文書「ふらんしす上人しょうにんさまよえるゆだやびとと問答の事」によれば、何処の者か、と誰何された際「一所不住のゆだやびと」と答えたとか。

さまざまに言い交わすなかで、かつてのゴルゴダの丘への途中、見物人として出かけていたユダヤ人ヨセフはイエスが来た時、荒々しく小突き回したり、打擲したという。早く行け、というようなことを言ったとき、イエスは

「行けと云うなら、行かぬでもないが、その代り、その方はわしの帰るまで、待って居れよ。」

これが呪いとなって、彼は世界をさまよっているようだ。それにしても怖い言葉だこと。

「さまよえるオランダ人」は伝説をもとにワーグナーが作ったオペラ。神の罰で永遠にさまようオランダ人の幽霊船、フライング・ダッチマンの話で、ワーグナーは明らかにこのユダヤ人の伝説に影響されているとか。

なんだか、様々の物語を読む時にこの伝説の知識が活かされる時もあるかな・・と思える。

とはいえ、話が出来すぎてるな、という気がして調べてみたらこの作品、実は伝説をもとにした創作、という見方が多いようだ。そ、う、だよね。

いつか「さまよえるユダヤ人」伝説のエッセンスにハッとしてみたい。インパクトがあり、興味深い本でありました。
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  • 掲載日:2026/05/08
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