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本書は女性たちの本音をまとめた1冊。自分の偏ったものの見方・考え方に気付かせてくれました。
「#Me Too」運動をきっかけに、世界的なセクハラ告発の機運が高まった。
きっかけは2017年10月、ハリウッドの映画プロデューサーによるセクハラ疑惑が報じられたこと。
運動の影響は日本にもおよんだようだが、それほど大きなものにはならなかったと思う。
そして、今、新たな問題が日本で巻き起こっている。
2022年の日本では映画業界を中心とした、セクハラという言葉では覆い尽くせないような卑劣な行いが暴露されている。
社会的な力関係に起因する卑劣な行為は、まだまだ隠されているのだろう。
それでも弱い立場に置かれることが多い女性たちが声を上げつつある。
そのためには、ある程度のきっかけが必要で、本書は語るきっかけを女性に提供し、多くの声を引き出したレポートである。
本書は50か国、2000人の女性の声を分析したもの。
国や地域を超越した声は、当然のことながら文化的背景を異にする。
本書のきっかけは2012〜2014年に撮影されたドキュメンタリー映画「ヒューマン」。
この撮影で多くの人たちにインタビューが試みられた。
もちろん、女性も数多くいた。
女性たちは雄弁に語り始めたという。
その雄弁さは予想を遥かに超えるものだったそうだ。
「#Me Too」運動の2年前のこと。
女性は語りたいことをたくさん抱えていた。
それを吐露させるべく、本書のベースとなった企画「ウーマン・プロジェクト」が立ち上がったという。
女性は必ずしも虐げられている立場を訴えているわけではない。
男と比較してより良い立場と認識している声もあった。
しかしながら、総じて窮屈な思いをしているという印象を受けた。
なかには窮屈という言葉で済まされない、犠牲者と位置付けらるような経験談を語る人もいた。
その経験を語ることができるということは、負の感情を克服している証と言えよう。
ただ、克服を成し遂げられていない女性が多くいることも事実である。
本書で語られていることは、真実の断片に過ぎない。
本書に掲載された女性の声は、虐げられた暴力的な内容だけではない。
性のこと、母親といういこと、結婚のことなども含まれる。
本書は性教育のあり方に異議を唱える。
従来の性教育は不慮の妊娠、性病の感染、ポルノなど避けたいことを取り上げてきたという。
でも、本書はオーガズムについても真剣に取り組むべきとし、そのことを語る女性も登場する。
また、母親になったことを後悔する女性の声もある。
社会通念上、幸福の象徴とも捉えられがちな出産。
その社会通念は、偏った見方の一つに過ぎないようだ。
ワンオペで育児に疲れた、というステレオタイプの状況下にあるわけでもない人もいた。
人にはいろんな感じ方がある。
それは多数決で決められるものではなく、他人に暴力などの悪影響を及ぼさない限り、他人が簡単に間違ったものと気絵付けて断じることは許されない。
出産を後悔しているという気持ちは、それはそれとして受け入れ、母子ともに幸せな環境について多角的に対応できる社会環境が必要なようだ。
本書は2000人のインタビューから厳選された女性の声を教えてくれる。
文化が異なるからというだけでは片付けられそうもない様々な意見は、自分の考え方の偏り具合に気付かせてくれた。
まずは知ることが大切なのだ。
そう強く感じた。
きっかけは2017年10月、ハリウッドの映画プロデューサーによるセクハラ疑惑が報じられたこと。
運動の影響は日本にもおよんだようだが、それほど大きなものにはならなかったと思う。
そして、今、新たな問題が日本で巻き起こっている。
2022年の日本では映画業界を中心とした、セクハラという言葉では覆い尽くせないような卑劣な行いが暴露されている。
社会的な力関係に起因する卑劣な行為は、まだまだ隠されているのだろう。
それでも弱い立場に置かれることが多い女性たちが声を上げつつある。
そのためには、ある程度のきっかけが必要で、本書は語るきっかけを女性に提供し、多くの声を引き出したレポートである。
本書は50か国、2000人の女性の声を分析したもの。
国や地域を超越した声は、当然のことながら文化的背景を異にする。
本書のきっかけは2012〜2014年に撮影されたドキュメンタリー映画「ヒューマン」。
この撮影で多くの人たちにインタビューが試みられた。
もちろん、女性も数多くいた。
女性たちは雄弁に語り始めたという。
その雄弁さは予想を遥かに超えるものだったそうだ。
「#Me Too」運動の2年前のこと。
女性は語りたいことをたくさん抱えていた。
それを吐露させるべく、本書のベースとなった企画「ウーマン・プロジェクト」が立ち上がったという。
女性は必ずしも虐げられている立場を訴えているわけではない。
男と比較してより良い立場と認識している声もあった。
しかしながら、総じて窮屈な思いをしているという印象を受けた。
なかには窮屈という言葉で済まされない、犠牲者と位置付けらるような経験談を語る人もいた。
その経験を語ることができるということは、負の感情を克服している証と言えよう。
ただ、克服を成し遂げられていない女性が多くいることも事実である。
本書で語られていることは、真実の断片に過ぎない。
本書に掲載された女性の声は、虐げられた暴力的な内容だけではない。
性のこと、母親といういこと、結婚のことなども含まれる。
本書は性教育のあり方に異議を唱える。
従来の性教育は不慮の妊娠、性病の感染、ポルノなど避けたいことを取り上げてきたという。
でも、本書はオーガズムについても真剣に取り組むべきとし、そのことを語る女性も登場する。
また、母親になったことを後悔する女性の声もある。
社会通念上、幸福の象徴とも捉えられがちな出産。
その社会通念は、偏った見方の一つに過ぎないようだ。
ワンオペで育児に疲れた、というステレオタイプの状況下にあるわけでもない人もいた。
人にはいろんな感じ方がある。
それは多数決で決められるものではなく、他人に暴力などの悪影響を及ぼさない限り、他人が簡単に間違ったものと気絵付けて断じることは許されない。
出産を後悔しているという気持ちは、それはそれとして受け入れ、母子ともに幸せな環境について多角的に対応できる社会環境が必要なようだ。
本書は2000人のインタビューから厳選された女性の声を教えてくれる。
文化が異なるからというだけでは片付けられそうもない様々な意見は、自分の考え方の偏り具合に気付かせてくれた。
まずは知ることが大切なのだ。
そう強く感じた。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント

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- 出版社:日経ナショナルジオグラフィック社
- ページ数:0
- ISBN:9784863135215
- 発売日:2022年03月03日
- 価格:3080円
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