大奥づとめ: よろずおつとめ申し候





大奥という特異な場に身を置いた女性達が、大奥という巨大な権力としきたりの渦の中で、務めるということの意味を模索し、見失っていた自分の生き方を掘り起こし、時に人を支え、支えられながら挽回していく物語。
永井紗耶子作「大奥づとめーよろずおつとめ申し候」を読みました。 【ひのえうまの女】利久は16歳…

本が好き! 1級
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こんにちは。ブクレコ難民です。今後はこちらでよろしくお願いいたします。





大奥という特異な場に身を置いた女性達が、大奥という巨大な権力としきたりの渦の中で、務めるということの意味を模索し、見失っていた自分の生き方を掘り起こし、時に人を支え、支えられながら挽回していく物語。
永井紗耶子作「大奥づとめーよろずおつとめ申し候」を読みました。 【ひのえうまの女】利久は16歳…




浅間山で英次が凍死した事故が、稀世・未来子・創介の人生を大きく狂わせる。大人になって再会した三人は、恋心・罪悪感・後悔と向き合い、長い年月を経てようやく過去を受け入れ、互いに和解していくさ中。。。
唯川恵作「一瞬でいい」を読みました。 【プロローグ】奥村稀世は三十年ぶりに浅間山を目の前にし、…




因縁の十角館にミステリ研究会メンバーが集結した。大半のメンバーにとってここは他人が起こした殺人現場だったが、犯人にとっては千載一遇の、彼らを罰する聖地だった。次々とメンバー達は殺され、ついに。。。
綾辻行人作「十角館の殺人」を読みました。1987年に刊行されたこのミステリは綾辻行人のデビュー作で、…





乾ききった現代の人々にこそ届けたい。嵐の夜に生まれた仔馬が嵐のような烈しいその走りによって人々を鼓舞し、再び立ち上がる力を与える昭和の熱い物語。
宮本輝作「優駿 下」を読みました。 【第六章 翡翠色の道】博正は吉永会長に見いだされ、広大な吉…





嵐の夜、運命の仔馬は様々な人々の思惑の元誕生した。関係するすべての人々の運命・秘密・罪と贖い・愛・夢・欲望を巻き込みながら、オラシオンと名づけられたその仔馬は結末に向けて驀進する。
宮本輝作「優駿 上」を読みました。私は常々日本の競馬小説を愛好していますが、結局この小説を越える競馬…





大学の奨学金ローンを返済するためにアルバータ州のオイルサンドに就職したケイトは、ブラックな労働と限りないセクハラに悩み、ついには2度レイプされる。しかし2人の姉妹と共に働き通したケイトはついに。。。
私はこの15年ほど英会話教室に通っていますが、担当講師はいつも同じ中国系カナダ人で、日本人妻と結婚し…




かんこの家は母親の脳卒中と父親のDVの為に機能不全に陥っていた。兄と弟は家族を捨て、かんこは不登校寸前だった。しかし祖母の葬儀に際して家族は再び集まり、遊園地に向かった一家にに驚きの事態が。。。
宇佐美りん作「くるまの娘」を読みました。 難関高校に進学したかんこは、父親の過酷なスパルタ教育に疲…





沖縄に暮らす大学生ハルオと、彼を女手ひとつで育てあげた母ミロ、そして二人を取り巻く複雑な血縁と因縁、さらに20年以上に及ぶ嘘と罪が絡み合う。決死の親子が互いに裁き、赦し、再び絆を結ぶさまを描く傑作。
桐野夏生作「ダークネス」を読みました。探偵村野ミロシリーズ最終作です。それまで義父善三の元で探偵/調…





失業してNYからニックの両親の住むミズーリに来たニックとエイミー夫婦の間には次第に隙間風が吹く。しかしニックの語る夫婦生活とエイミーの日記には次第に乖離が生じていた。そんな中エイミーは失踪し。。。
【その日】ニック・ダンと妻のエイミー・ダンはNYでライターをしていましたが、インターネットによって雑…





動物の“言葉”を探るという大胆な問いを、身近な生き物、そして学際的手法・クリエイティブな発想で実現し、世界で初めて動物言語学を立ち上げた経緯を鈴木准教授自ら語る作品。
鈴木俊貴作「僕には鳥の言葉がわかる」を読みました。聞きなれない著者でありますが、鈴木先生は東大准教授…





江戸絵巻の技法で現代都市を描く奇才が、伝統美と現代性、風刺とユーモアを兼ね備えた時空を超える日本を描く漫画。
この表紙絵の美しさとともに、山口晃とは誰?と思われたと思います。山口先生は東京芸大出のばりばりの日本…


性癖を巡って葛藤する5組の夫婦が問題を解決する5つの物語。しかし倫理なきエロスは文学にならない。愛の名のもとに妻を支配する男たちの幻想を、重松清は描き、読者はそれを拒むことで、むしろ真実の愛を見出す。
重松清作「愛妻日記」を読みました。 【ホワイトルーム】わたしと妻早智子は後輩加藤と自宅マンショ…




母、息子、そして“父”。愛と支配がねじれ合い、真実が反転する瞬間、全ての関係が崩壊する。殺意は愛の裏返しであり、救いは狂気の中にしかない。33年経っても色褪せない叙述トリックの金字塔。
我孫子武丸作「殺戮にいたる病」を読みました。1992年に刊行されたこのミステリを連れにおすすめしたの…




老いを迎えた5人の母親の生き様を描いた5つの短編集。彼女達には予想外の驚愕の結末が待ち受け、何人かの娘は母への思いを取り戻すが、以前の家族の姿は永遠に失われてしまう。
乃南アサ作「マザー」を読みました。 【セメタリー】藤原岬樹はパンデミックで帰れなかった実家に4…





窪美澄が描く「宙色のハレルヤ」は、私たちが誰かを思い、赦し、なお生きようとするその瞬間にこそ響く美しい歌である。繊細で官能的な6つの物語から成る窪美澄久々の傑作。
窪美澄作「宙色のハレルヤ」を読みました。デビューから十五年、円熟の筆致で描かれた本書は、現代を生きる…




小説家志望だった咲歩は、有名小説講座講師月島に、小説指導の名を借りてレイプされた。筆を折り、沈黙していた咲歩はある日月島をセクハラで告発した。現代文学界に起きたセクハラ事件を描き出す問題作。
井上荒野作「生皮 あるセクシャルハラスメントの光景」を読みました。 【第一章 現在】動物病院で…




コーダとして生まれた荒井はろう者との軋轢に悩み、ろう社会から離脱するが生活に困り、手話通訳士となった。法廷通訳人を務めた荒井は、かつて関わったろう者が再び殺人犯と目されている事を知り、挽回を試みる。
丸山正樹作「デフ・ヴォイス」を読みました。 【第一章 通訳士】荒井直人は背後から聞こえた子供を…





ついに戦争は終わり、第一部で活躍した4人の登場人物の子供達が戦後の日本を再出発させるべく、それぞれの本分を尽くして奮闘を始める。
奥田英朗著 「普天を我が手に 第二部」を読みました。 アメリカで15歳の竹田志郎は駐在武官の父…




名物馬主山王はふとした事から栗栖を会社に迎え、決して自分を裏切るなと命じて新マネージャーとした。栗栖は広中や加奈子、佐木や翔平と競馬を戦うが、山王は病に倒れる。彼の隠し子耕一は山王の馬を受け継ぎ。。。
『第一部 希望』 【一月】ぱっとしない人生を送っていた栗栖栄治は、初詣で凶のおみくじを引き、待…




強制的に家族から切り離された5人のひきこもり男女が更生施設に集められ、未知瑠の監視と暴力で更生を強制される。虐待に耐えかねた彼らは未知瑠を殺したが、隠蔽は露見する。彼らは施設の闇を暴こうとするが。。。
染井為人作「ひきこもり家族」を読みました。 平本僚太は引き籠っていました。自分はやる時はやるの…