妻の座【Kindle】

八十年前に書かれた小説が、今に通じる読み応えのある作品であることを素直に喜べないというのは作家の孫世代の私の感覚で、さらに時代が進んだ今の若者たちには縁のないものだったらいいのだけれど…。
戦争の終わった翌年こと。 ミネは、二十年来連れ添った妻を亡くし四人の子供を抱えて困っていた文士仲間…

本が好き! 免許皆伝
書評数:2259 件
得票数:71384 票
本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

八十年前に書かれた小説が、今に通じる読み応えのある作品であることを素直に喜べないというのは作家の孫世代の私の感覚で、さらに時代が進んだ今の若者たちには縁のないものだったらいいのだけれど…。
戦争の終わった翌年こと。 ミネは、二十年来連れ添った妻を亡くし四人の子供を抱えて困っていた文士仲間…

コンスタンティノープルの陥落を扱った歴史小説でもあり、現代社会の抱える問題を扱ったリアリズム小説でもあり、SF小説でもあって、物語とそれを語り継ぐ人々の情熱を歌い上げもするというなんとも欲張りな物語。
原題は“Cloud Cuckoo Land”。 『すべての見えない光』 でピュリッツァー賞を受賞…

思わずニヤッとする物語、ゾクッとするホラー、しっとりと不思議な余韻、ディストピア、この1冊でいろんな味が味わえる。橋賢亀さんの挿絵も◎。
訳者の金原瑞人さんがジェラルディン・マコーリアンの 『不思議を売る男』 と並んで、児童書とYA小説の…

てっきり二人の少女をダブルキャストに迎えた少女小説なのかと思って読み始めたのだけれど……。
先日来、1週間限定で 本のタイトルを使ったしりとり遊び をしていて、「る」で終わるタイトルは多いけ…

フォーチュンの今後は気になるけれど、この夏は、まだまだ終わって欲しくない。 #ワニ町 シリーズ第8弾!
(※以下、本書ではなく、シリーズ前作までのネタバレが含まれています。ご注意ください。) CIA…

著者がいうように書くという行為は、孤独な営みなのだろう。けれども本を通じて、書き手と読み手の間には分かちがたい絆がうまれていく…そんな風に思わせてくれる1冊だ。
なんでも韓国には“時間の流れ”という出版社があって、その出版社から「言葉の流れ」という全十巻のシリー…

語り手は猫のシロくん。写真にも猫たちの姿が。猫を通してパレスチナの人たちが置かれ続けている占領の現実を伝える写真絵本。
写真家の高橋美香さんの同居猫シロくんのことは、 高橋さんのXを通じてよく知っているつもりだったが、…

刊行直後に購入するも例によって積んでいたこの本を手に取ったのは、もうすぐ同じコンビの新刊が出ると聞いたから。例によって例のごとく、もっと早く読めば良かった!と思うのもお約束!?
領主の年若い娘が亡くなった翌朝、赤い目をした奥方がやってきた。 「あの子をよろしくお願いします」 …

ある日ウサギは図書館で絵本を借りた!!
ある日のこと、 ウサギは公立かくれが図書館にいきました。 新刊情報をたよりに借りた本のタイトルは…





タイトルにある「なむ」とは韓国語で「木」のことだそうだ。
思い起こせば、私が初めて「これは韓国文学だ」と意識して読んだ作品は、この本の著者である斎藤真理子さん…

ニヤニヤ クスクス と笑いながら読んでいたはずなのに……ある意味ものすごく「危険」な本だった!?
昨年末発売と同時にX(旧Twitter)で話題になっていたので、 サンプルを読んでみたら捕まって、…

漱石、「場合を創造したり、性格を書き直したりして」アーサー王伝説を語り直す!?
このところ隙間時間にちびちびと読んではニヤニヤしている翻訳家の金原瑞人さんの著書『英米文学のわからな…

この本を読んだら、私も久々にリアル読書会、やりたくなっちゃった。
小学六年生の稀桜(きお)は、偶然通りがかったレンタルスペースで行われていた大人たちによる「絵本読書会…

“世界が安全でないと恐れはじめたとき、人は……”
※極力ネタバレを避けた上下巻あわせたレビューです。 前作『オリジン』(Origin)が出たのが…

これは良かった。すごく良かった。いままで読んできたネッテルの短篇とは趣が違っていて驚きもしたが、これから先もこの作家を追いかけていこうと決意を新たにもした。
大学院で文学の研究を続けるラウラは「子どもを産まない」と決めている。 世の中は、子どもの世話をす…

注釈も参考文献も充実している学術書なのだが、正直に言えば、書かれてることの半分……いや3分の1も理解できていないのではないかと思う。それでも、この本は面白かった。
原題はTranspatial Modernity: Chinese Cultural Encount…

老作家と犬、妻と夫、人と自然、生と死、破壊と再生、対となるもの、並び立つもの、境界の曖昧なもの。見て触れて考えて書いて、考えて、考えて、考えて、書いて、そうやって生きるひと。
森の中の古い一軒家に暮らすソフィは、もうすぐ80歳になるという作家だ。 一緒に暮らす夫とはかれこれ…

かわいいと気難しいの相性は抜群!?
アイリーンに頼んだのですよ。家にある鏡を一枚残らず片づけてくれとね。わたしだって鏡が好きだったこ…

今度は同じハヤカワの清水俊二訳と村上春樹訳を読み比べてみた。
やりなおし世界文学 の一環で、○十年ぶりに『長いお別れ』を読み直そうと思い、ネット古書でかつて持っ…

○十年ぶりに再会したマーロウは、記憶にあるより甘い香りをまとっていた。
訳者あとがきのハルキ風の言い回しになぞらえて始めるならば、 チャンドラーの『ロング・グッドバイ(長…