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理由があって春に出る?!“文学の極意は怪談にある”と言ったとか言わないとか言われているが、5/6は怪談話が得意だった佐藤春夫の命日“春日忌”だと聞いたから、春に怪談を読んでみた。

  • たそがれの人間: 佐藤春夫怪異小品集
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  • 出版社:平凡社
たそがれの人間: 佐藤春夫怪異小品集
5/6は“春日忌”。佐藤春夫の命日だ。
1964年(昭和39年)のこの日、彼は自宅にてラジオ番組の収録中に「私は幸いにして…」という言葉を発した直後、心筋梗塞を起こしそのまま亡くなったのだという。

実を言うと私はこれまで、彼の作品をまともに読んだことがなかったのだが、昨年の夏、この本が出たときに、この本の怪談話には佐藤春夫と親交のあった明治大正昭和の文豪達が登場すると聞いたので、思わずポチッと買ってしまったのだった。

が、買ったはよいが積んでしまうのもいつものこと、文学忌レビューにかこつけて、ようやく読もうと決心したのは、怪談話には不釣り合いな春先のことだった。

といっても読んだのは、4月も末だというのに吹雪に見舞われた日であったから、うららかな春の日和よりはゾクッとするのに向いていたと言えなくもない気もするが……それはさておき。

本書は三部構成。
“化け物屋敷を転々と”と題された第Ⅰ部には、夜中のトイレが妙に気になりそうな、化け物屋敷をテーマにした小説とエッセイ9篇が収録されている。

“世はさまざまの怪談話”と題された第Ⅱ部には、日本や中国の昔話の再話的な怪談や、著者が父から聞いたという「私の父が狸と格闘した話」など13篇が納められているのだが、どちらかというと怖いというよりはふむふむニヤリというテイスト(?)だ。

やはり圧巻はお目当ての第Ⅲ部、“文豪達の幻想と怪奇”。
谷崎や鏡花、芥川や堀口大學や与謝野晶子ら文豪たちが実名で登場する7篇だろう。
谷崎や芥川が登場する「山の日記から」も興味深かったが、なんといっても与謝野晶子の幽霊がトイレの外で待ち受ける(!)「永く相おもふ」が最高だった!

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  • 掲載日:2016/05/06
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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2016-05-06 04:57

    1週間ぶりのネット生活。
    GWなんてあっという間に終わった気がするのに、ネットの世界の流れは速い?!
    コメントやメッセージへのお返事など、いろいろ不義理を働いておりますが、
    通常モードに戻るまで今しばらくお時間を下さい。m(_ _)m

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