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裏書を読んで期待すると、大いにうっちゃりくらいます。

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
魔都シカモア
 怪物たちが跋扈する異世界へと通じる入口が突如出現する世界。それは『ポータル』と呼ばれ発見と同時に政府によって厳重に管理される.....のだが、漏れは生じる。異世界の怪物たちがこちらの世界に影響を及ぼし、ああだこうだとなるのかと思いきや、実際はちょっとピントの外れたジョークを連発する私立探偵が主人公のあまり歯応えのないミステリだった。

 主人公のフィリックスは、トロントで別れた元妻を秘書にして細々と私立探偵をしている。本書が初長編らしくぼくはこれが初読なのだが、どうやらこの手の事件を数々こなしている様子。だから本書の中では異世界<ブラックランド>のエキスパートとして認知されているらしい。本人は不服みたいだけど。

 そこへ依頼が入る。シカモアで最近続いている連続殺人の被害者の一人の遺体が見つからないというのだ。私の夫を探してといわれて、のこのこ出かけていったフィリックスは、失踪人探しだとばかり思っていたのに、あてが外れた上に関わり合いたくない<ブラックランド>へとまた導かれることになる。

 上段の紹介読めば、さぞかしブラックランドの世界でのあれやこれやが描かれて、怪物もいろいろ出てくるのかな?と思うでしょ。さにあらず、向こうの世界は出てくるけど、まったくなのである。これがあのスティーヴン・キングだったら、前半で引っぱるだけ引っぱって、後半でドーンとあれやこれやを登場させてくるんだろうけど、本書はそうはならないのである。出るには出たけどね。

 しかし、フー・ダニットとしてのミステリの構造はまあまあ納得のいくものだった。察しのいい人なら犯人の目星はすぐついてしまうかもしれないが、少なくとも話の組み立て自体はきちんとしている。その点は悪くなかった。だから結果としては期待とは違ったけど、悪くはないなという感じ。ラストが少し予定調和なのが少々きれいに収まりすぎた感じはあるけれどね。
  • 掲載日:2026/05/08
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