『生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線』 中屋敷均著を読む。
「はじめに」の一文、「「わたし」の中には、実は多くの生命体が複合体として存在している」
ここに、シビれた。
さらに「生命は合体し、新たな形の生命を生んでいく。「あなた」と「わたし」は混在しており、そしてその合体は、時に物理的な「わたし」だけでなく、「意識」や「心」としての「わたし」にさえ影響を及ぼしている」と。
その具体例として取り上げる生物のエピソードが、こりゃまた。シビれた。
そんなところを適宜引用。
〇オオカミの語源が大神であるそうだ(諸説あり)。アメリカのイエローストーン国立公園で、オオカミが絶滅してミュールジカが大繁殖。樹木などに被害が出て生態系が崩れてしまった。そのために天敵であるオオカミを放った。すると生態系が以前のようになったと。ならば、日本のクマ被害にもオオカミは有効じゃないのではと検索してみたら、オオカミはクマの天敵ではないとか。
〇いま、話題の腸内フローラ。「腸内フローラは、ある種の生態系、小宇宙であり、多様な菌が相互にネットワークのような関係を築いて、各個人で独自の「臓器」となっているのである」。「臓器」と考えるとわかりやすい。脳腸相関*というらしい。官民連携となんとなく似ているが。
〇ウミウシの一種である「エリシア・クロロティカは成体になると葉緑体を持ち「光合成」を行うようになる」。「盗葉緑体現象」という。人間も光合成ができるならば、食物は不要となり、食糧問題も解決となる。ほんとうの植物人間を思い浮かべた。
〇「カマキリを「入水自殺」させる寄生者ハリガネムシの恐るべき宿主操作術」
くわしくは、こちらのレビューを。
『ゾンビ・パラサイト -ホストを操る寄生生物たち-』小澤祥司著
〇「生命の原理とは「情報の保存」と「情報の変革」という二つの相反するベクトルが相互に作用するサイクルの中で、「幸運」が蓄積されていくシステム」「生命が継続して維持されるためには、自己が持つ遺伝的情報を忠実に保存して子孫に伝える仕組みを持つことが極めて大切だが、同じことをただ繰り返すだけでは、発展も進化もなく、少し環境が変れば、たちまち生命は死に絶えてしまう」「守破離」のサイクルだと。
ヘーゲルの弁証法なら「正反合」。エヴァならば「序破急」。これは、蛇足。
*「脳腸相関とは、脳と腸が神経やホルモンを通じてお互いに影響し合う関係のことです。気持ちの状態が腸の調子を変え、逆に腸の状態が気分や考え方にも影響すると考えられています」
(出典:https://mykinso.com/mykinsomedia/459)
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