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須賀さんはすごい作家だなあ。社会主義国家東欧諸国の崩壊過程を、本当にリアルに描く。

革命前夜
 この作品を読み終えて、皆さんはどんな感想を持たれたのだろうかと思い、「本が好き」に載せてある、書評を見てみた。正直、びっくりした。最近はあまり投稿がなく、もっぱら書評投票専門家になってしまったyukoさんが、この本の書評を投稿していて、この書評への評価の投稿数が何と65もあった。あまり熱心に書評への投稿数は見てないからわからないが。かって65も評価数を獲得している書評は見たことはなく、本当にすごいことだと感心した。

 まだ東西ヨーロッパが対立していた時代にバッハにあこがれていたピアニストのシュウは当時の東ドイツのドレスデン音楽大学に留学生としてやってくる。当時西側の人間が東側の大学に留学することなどめったに無く、事実ドレスデン音楽大学もアジアからの留学生は共産主義国家、北朝鮮、ベチナムからの2名だけだった。

 この大学で、シュウは天才バイオリニストのヴェンツェルとオルガン奏者のクリスタに出会う。

 東ドイツは、独裁国家で暗く、抑圧されていた時代。そんな中で、シュウとヴェンツェル、クリスタが東ヨーロッパの崩壊してゆく中で翻弄され、時に危ない状況に追い込まれるが、気力を奮い立たせ、危険に立ち向かい、やがて西ドイツに脱出してゆく過程を描く。なにしろクリスタは危険人物として国家保安省の監視対象者になっていて、なにをしても、どこへいっても監視人がつきまとう。このクリスタと交友を結ぶから、当然シュウも監視対象者となり、常に危ない橋を渡ることになる。

 当時の暗く国家が人民を圧迫する状況が須賀さんの見事な筆致で鮮やかに描かれ、須賀さん自身はそんな経験もないのに、驚愕の作品になっている。

 それから、楽譜から音楽に変わってゆく演奏の過程も鮮やか。
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  • 掲載日:2026/04/28
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