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ことなみ
レビュアー:
良くも悪くも誉田哲也 #ナツイチ
ああやっと気がついた、面白かった誉田哲也の「武士道シックスティーン」は彼の一部だった。
若いのでこれから充実した代表作が出るだろうけれど、今のところ「ジウ」「ストローベリーナイト」に始まる姫川警部補のシリーズがある人という印象。

どちらもちょっと一話だけは読んでみたが、ホラー作家だなと思えるグロテスクでショッキングなシーンが多くある。
ただ人気は主人公にあるのかもしれないし、警察小説としても読みどころがある。
ただ読者は合うか合わないかわかれるところだと思う。

この「あなたが愛した記憶」は題名のソフトな雰囲気とは全く違う内容で、読み始めから少し引き気味だった。

残酷な殺人事件が、同じ形で二件連続で起きる。ここからは警察の分野かと思ったが、そうではなく、背景の事件に絡まる人たちが動き出す。

大人びた高校生の民代が興信所に来て調査員の栄治が父親だという。そして二人の人間を探してほしいという。

これが発端で、関係者のつながりがずるずると引き出される。栄治が知らなかった出来事が次第に明らかになる、つながりというといわば魂(人格)の継承で、宿主になる肉親の体に、消滅前に入り込む。
それぞれに性別年齢は違っても血の繋がりがあり、記憶が残っていく。

調べるにつれて残酷な事実が暴きだされていく。
一つは命の尽きる前に肉親の新しい体に移っていく。そのためには自分と血の繋がった命を絶やしてはいけない。

そういった犯人の目的のまわりで、不意にそのことに気がついた関係者の悲運や懊悩なども絡めてなかなか酷な運命が展開する。

この魂の継承(輪廻の一端というか)が 新しく目標になった肉体を持つ人間の意識と現実を結んでいく発想はさすがだと思うが。

ただ小説を読む楽しみの一環は主人公の魅力だったりストーリーの面白さだったりする。

ここではあまり魅力的な人物はいない。事件も稀なケース(どこかで読んだような)がそれに繋がる人々の忘れていた過去が蘇るところもなにか予想通りで新味がない。

面白かったかと言えば、どこにでもあるホラー小説の一つのようで、親子や異性愛の話もそこそこで、気味悪い思いだけが残った。
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ことなみ
ことなみ さん本が好き!1級(書評数:645 件)

徹夜してでも読みたいという本に出会えるように、網を広げています。
たくさんのいい本に出合えますよう。

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