一抹の真実: A GRAIN OF TRUTH





「どんな伝説にも一抹の真実がある」(ポーランドの言い伝え) 「半分が真実ということはすべてが嘘だということだ」(ユダヤのことわざ) 真実はどちら?
「私自身はユダヤ教信者で愛国主義者ですが、現在のイスラエル政府の政策は世界に害を及ぼすものと見ていま…

本が好き! 1級
書評数:2350 件
得票数:45017 票
「本職」は、本というより映画です。
本を読んでいても、映画好きの視点から、内容を見ていることが多いようです。





「どんな伝説にも一抹の真実がある」(ポーランドの言い伝え) 「半分が真実ということはすべてが嘘だということだ」(ユダヤのことわざ) 真実はどちら?
「私自身はユダヤ教信者で愛国主義者ですが、現在のイスラエル政府の政策は世界に害を及ぼすものと見ていま…



「恋には犠牲がつきものなのね。犠牲には血がつきものだわ」(表題作登場人物の台詞)
ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニエ(1814-1873)は、アイルランドのダブリン出身の19世紀を代…




光文社文庫版の『松本清張短編全集』の第二巻です。徳川家康と大久保利通という時代の変わり目に登場し、権力の頂点に立った人間の描写が印象的な作品群が収められています。
光文社文庫版の『松本清張短編全集』の第二巻です。このシリーズは、時間をかけて少しずつ読んでいこうと思…




「人間というものは、何のために生きているのだろう。この答えが出たのだった。つまり、死の恐怖だけで支えられていたらしい」(本書収録『殉教』より)
1961年に刊行された星新一(1926-1997)の第二短編集です。「ショートショート28選」という…




1945年に出版された本書は、警察小説の嚆矢とされている作品です。同時に、当時の警察の科学的証拠に対する軽視や自白重視が透けて見え、そういう考え方が冤罪の根底にあることが感じられます。
ローレンス・トリート(1903-1998)は、警察小説の嚆矢とされる本書を1945年に出版したことに…




ずいぶん前ですが、出版関係に勤めていた友人から、現代戯曲の本は売れない、という話を聞いたことがあります。このシリーズは、そういう傾向に少しでも逆らおうとして出版されたものだと思います。
全三冊のこのシリーズですが、編者である日本演出家協会について、まず簡単に触れます。そのホームページで…




「今、ここでそういう時代(戦争時代)がもしきて、言論弾圧や思想統制があっても、ぼくは描くね、手鎖はめられても足で描くよ!描くだけでなしに見せますね!」(本書解説で紹介されている手塚治虫の言葉)
『手塚治虫「戦争漫画」傑作選』の第二巻になります。第一巻に比べると、いわゆる大人向きの漫画が多いこと…





本書の時代背景は1950年代のアフリカのケニアですが、読んでいると、現在のパレスチナとイスラエルで同じことが起こっていることを感じます。
「どんなふうに話そう? 真実をそのまま、ただ真実だけを話そうか? ぼくの側の話をしようか?それと…



原題を直訳すると「雲の中の頭」ということで、要するに「体は地上にあるけれど、おツムは雲の中にある」ということなのでしょう。イタリア語ではよく使われる表現のようです。その通りの15歳の少年が主人公です。
1957年生まれのイタリアの女性作家スザンナ・タマーロが、1989年に発表した処女作です。前から作者…




「(本書の)真の主人公は誰か。最後まで読めばわかるとおり(中略)"家" そのものだといえるだろう。現代の私たちはこのことを念頭に置いた上で読んでいくのが望ましい」(本シリーズ監修者、瀬名秀明の解説より)
瀬名秀明が監修し東宣出版より出されている「シムノン ロマン・デュール選集」の第四巻です。ジョルジュ・…




「北極海の氷、さらに南極大陸の氷がとけつつある。(中略)ばかばかしい妄想だと言う人もあろう。規模が大きすぎて無理だと評したい人もあろう。しかし、決して不可能なことではないのだ」(本書登場人物の台詞)
本書の原題は"The Kraken Wakes"です。クラーケンとは、ギリシャ神話でペルセウスによっ…




「世の中には、冒険の大好きな男の子がいます。そうした男の子は頭がおかしいんだ、とビッケは思いました。きっと、頭のネジがゆるんでいるにちがいない」(本書より) 露骨に反マッチョな主人公です。
先日『何でも鑑定団』を見ていたら、ビッケのグッズを集めている方が登場していました。この番組には、世の…





ジャケ買いです。でも、絵だけでなくお話も素晴らしいのです!
「きょうは、こねこを もらいにきた」 女の子がママとお兄ちゃんと一緒にやってきたのは「こねこの…




「人が足りないところで働く人は減り、負担はどんどん偏っていく。保険診察も地域医療も、きっと、今後持たない。田舎から都会へ。でも院長が言うように、その先の未来はどうなるんだろう」(本書ヒロインの述懐)
2025年刊の本書は、『禁忌の子』(2024年)に続く山口未桜の第二作にして医師の城崎郷介を探偵とす…




「ぺ・スアの小説はあらすじを紹介することが不可能でしかも無意味ではある」(訳者あとがきより) 広い意味でアンチ・ロマン(反小説)と呼んでいい作品でしょう。
本書を読むのならば、訳者あとがきを最初に読むことをお勧めします。そこでは、1965年にソウルで生まれ…




松本清張が処女作を発表できたのは、43歳の時でした。若い頃に文学を志しましたが、家が貧しかったため「小説を志しては食っていけない」と思い、デビュー前の20数年は一作も書いていなかったそうです。
ベックさんの松本清張熱に影響されて、ちょっと松本清張を読んでみようかと思い、本書を手に取りました。松…





本書収録の『おーい でてこい』(1958年)は、結果的になのかもしれませんが、この時代に原子炉のゴミや文明生活から生みだされるゴミに警鐘を鳴らしていたことに、今読むと凄みを感じる傑作です。
星新一(1926-1997)の記念すべき初めての短編小説集です。1961年刊で、30作収録されていま…




作者の先代ジョン・ホーソーンが、有名なセイラム魔女狩り裁判の際に署名した、逮捕状44通、魔女尋問記録22通、告訴状自白確認書30通は今日も残っているのだそうです。
南雲堂が出版した『偉大な石の顔・雪人形・他』と題する別のホーソーン短篇集の書評を、ゆうちゃんさんが書…




「いいですか、私は人間の精神について話してるんですよ、検事。確かなことなど何ひとつありませんよ」(本書登場人物の台詞)
ポーランドの長編ミステリーというのはあまり読んだことがなく、ふと目に留まったこの本を読んでみました。…





表題作は、アルジェリア独立戦争時、フランス軍によって規則正しく整然と行われた独立派に対する「尋問」という名の拷問の内容を、それを受けた側の人間が詳細に綴った稀有なノンフィクションです。
本書には、二つの作品が収められています。アンリ・アレッグ(1921ー2013)が、アルジェリア独立戦…