ぼくは川のように話す
「ぼくはときおり、なんの心配もなくしゃべりたい、『上品な』、『流暢な』と言えるような、なめらかな話し方であればいいのに、と思います。でも、そうなったら、それはぼくではありません」(作者の言葉)
共にカナダ出身の、1978年生まれの吃音のある詩人ジョーダン・スコットが文章を書き、1980年生まれ…
本が好き! 1級
書評数:2279 件
得票数:43573 票
「本職」は、本というより映画です。
本を読んでいても、映画好きの視点から、内容を見ていることが多いようです。
「ぼくはときおり、なんの心配もなくしゃべりたい、『上品な』、『流暢な』と言えるような、なめらかな話し方であればいいのに、と思います。でも、そうなったら、それはぼくではありません」(作者の言葉)
共にカナダ出身の、1978年生まれの吃音のある詩人ジョーダン・スコットが文章を書き、1980年生まれ…
「20世紀SF」と銘うった全6巻のシリーズですが、英語圏作品が中心なので、「20世紀の世界のSF」というわけではありません。
このシリーズは、刊行時に一度読んでいるのですが、読み返してみようと思い、倉庫から引っぱり出してきまし…
「儀礼殺人を行って、体の部位を優良顧客に売っているような、全国的な犯罪組織があるんじゃないかと思ったことはある?」「うそでしょ!そんな恐ろしいこと、想像したこともない!」(本書より)
儀礼殺人については、本書冒頭で編集部による説明があります。 「ある儀式にのっとって、人体の一部…
「犬を連れた人間たちがやってきた。シャベルを手に、アナグマの家族を次々に殺していったのだ。助かったのはこのアナグマだけだった」(本書より)
ぱせりさんとRokoさんの書評で、本書のことを知りました。感謝いたします。 先にレビューを書い…
「心身の病からは回復し、抗うつ剤と縁がきれてもう6年がたつ(中略)病み始めたのが30代の後半で、40代は病のなかで過ぎ、気がつけば50の坂を超えた」(本書収録『ぬるい湯を飲む猫』より)
2012年刊の本書のことは、ぱせりさんの書評で知りました、感謝いたします。 初読みの作家でした…
高校二年の中間テストの結果が8科目で800点満点という裏染天馬が探偵役の、青崎有吾のデビュー長篇であり、第22回鮎川哲也賞にも、「平成のエラリー·クイーン」という作者の称号にもふさわしい傑作です。
2012年刊の本書は、1991年生まれの青崎有吾の処女長篇作であり、第22回鮎川哲也賞を受賞しました…
綾辻行人のデビュー作です。『そして誰もいなくなった』のオマージュではありますが、特異な屋敷が舞台のスカーレットの『エンジェル家の殺人』を翻案した、江戸川乱歩の『三角館の恐怖』も意識していたでしょう。
綾辻行人のデビュー作である1987年刊の本書は、今まで10冊出版されている館シリーズの第一作でもあり…
ロジャー・スカーレットの『エンジェル家の殺人』を、江戸川乱歩が自由に翻案した作品です。読み比べてみると、翻訳とそうでない作品の差もありますが、乱歩の方が理解しやすく、読みやすいです。
この作品は、江戸川乱歩が光文社の「面白倶楽部」に1951年1月号から12月号まで連載したものです。原…
江戸川乱歩が絶賛し、自ら自由に翻案して『三角館の恐怖』を書いたことで知られている作品です。原題は"The Murder Among the Angells"、つまり『エンジェル一族内での殺人』です。
1956年に日本で翻訳出版された古い本を引っ張り出してきました。久しぶりの再読です。この作品はアメリ…
『ウォーリーを探せ』という絵本がありましたが、あのような子供向けの「隠しオブジェクトゲーム」のはしりとも言えるような本です。
ぷるーとさんとRokoさんの書評で、本書のことを知りました。感謝いたします。 1965年刊の本…
和田誠が描いたカバーには、三人男の他に、犬が一匹同乗していますが、副題で「犬は勘定にいれません」との注意書き(?)があります。でも、それはないでしょう。たまにとは言え、話も自己主張もする犬なのに。
英文Wikipediaには、1898年刊の本書のカバーとフロントページの写真が載せてあります。それに…
ダルジール警視シリーズは今まで21作翻訳されていますが、訳者による本書解説では、なんと、本書表題作中で、主人公の姓は「ダルジール」ではなく、「ディエール」と発音するのが正しいと書いてあるのです。
イギリス生まれのレジナルド・ヒルは、23冊の長篇(うち21作が邦訳)があるダルジール警視シリーズが代…
「宗教とか正義とか善とかいう大義名分がある時ほど人間の残虐行為がエスカレートする時はないのだ」(本書表題作より)
「ドタバタ傑作集」という言葉から連想する軽さやユーモアがないわけではありませんが、それよりも、卑猥、…
「祖母は親の意思に最後まで逆らえなかった代価として、自分が何を失うことになるのか、当時はよくわかっていなかった」(本書収録『黒糖キャンディー』より)
"おばあちゃん"をテーマにした、6人の韓国女性作家による、6篇の小説が収録されたアンソロジーです。2…
映画史に残るフィルム・ノワールの傑作『深夜の告白』(1944年)の原作として、古い映画ファンには知られている小説です。
ジェイムズ・М・ケイン(1892-1977)は、なんといっても『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(193…
主人公を二人称で語る小説としても、ミシェル・ビュトールの作品としても、おそらくもっとも有名なものです。アンチ・ロマン若しくはヌーヴォー・ロマンの代表的作品の一つでもあります。
1957年刊の本書は、生涯四つのロマン(長編小説)しか書かなかったミシェル・ビュトール(1926-2…
「ああ、これがブッツァーティの処女作なんだ」というのが、読後まず思ったことです。
ディーノ・ブッツァーティ(1906-1972)は、20世紀イタリア文学を代表する作家として、個人的に…
原題は"Lark"、「ヒバリ」です。でも、ヒバリは何の象徴なのでしょうか。
いろいろな方々が書評を書いていた本なので、ずっと興味を持っていました。まず、本書のことを教えてくれた…
「ネコ族のために、働けて 嬉しいと、言いなさい」(本書裏表紙より)
今年出版された本書には、二匹の猫様が登場し、下僕である人間との生活が描かれています。 キジネコ…
「ソノミは、お風呂につかった後に指がしわしわになるのが本当に大好きだったが、膝の傷口の周りがフィレオフィッシュの身の部分のように白っぽくなるのはそれ以上に見物だった」(本書収録『王国』より)
かもめ通信さん主催の「#やりなおし世界文学 読書会」は、津村記久子の『やりなおし世界文学』で取り上げ…