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イングランド銀行が出した経済学の入門書です。

イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章【Kindle】
イングランド銀行が出した経済学の入門書である。

身近な例を挙げながら経済学を説明していく。まずはミクロ経済学である。お菓子の量り売りの店を取り上げて、「効用最大化」(どんな人も効用をできるだけ大きくしようとする)という概念を解説する。効用とは、何かから得られる喜びや満足感である。

パンが値上がりすると、貧しい家庭のパンの消費が増えることにギッフェンという経済学者が気づいた。パンは生活必需品であり、贅沢品ではない。パンの値段が上がると、貧しい家は必需品(パン)を多めに買い、贅沢品は諦める、というわけである。これをギッフェン財という。日本の米もギッフェン財に当たるようだ。

今日のグローバル経済は市場のメカニズムで動いている。ソ連が崩壊し、中国も改革・開放にかじを切ったように、市場を活用する方が良いとみんなが考えるようになった。

また、イングランド銀行の食堂では、以前フライドポテトが取り放題だった。すると、全員が食べられる量よりもたくさん取って食べ残し、結局捨てることになる。そして、遅い時間に食堂に来た人はポテトが売り切れで食べられない。これを「市場の失敗」という。

大学教育のように、社会の利益が個人の利益を上回る時、これを「正の外部性」という。その逆が「負の外部性」である。教育などは市場に任せておくと供給不足になるが、負の外部性を持つエネルギー(石油や石炭)などは供給過剰になる。

経済成長についての説明もある。西暦1500年の世界経済の規模は4310億ドルだったが、2015年には約108兆ドルになっている。250倍になったわけだ。現代の私たちは信じられないほど豊かになった。土地、労働、資本、技術の4要素をうまく活用できたからだ。しかし、経済成長は所得格差、幸福感の欠如、環境破壊ももたらした。

インフレ、デフレについても触れられている。現在はインフレで生活が大変だが、デフレも好ましくはない。デマンドプルのインフレならいいのだが、今はコストプッシュのインフレである。多くの経済学者が言うように、ゆるやかに物価が上昇するインフレが最も良い。

近い将来、私たちが使う通貨は中央銀行が跛行するデジタル通貨になっている可能性がある。通貨は時代と共に変わってきたし、これからも変わる可能性があるのだ。

経済学の概念や専門用語を分かりやすい例などを用いて説明してくれている。私のような素人でも経済学が少し分かるようになった気がする。
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  • 掲載日:2026/04/26
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この書評へのコメント

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    取得中。。。