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はなとゆめ+猫の本棚
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私の子供の頃には「貞子」という名の大人の女性がけっこういた。しかし今はまったくなくなった。貞は貞淑という意味だった。
 武士が国家を統治していた時代と現代の結婚制度は異なる。江戸時代をとってみても制度も求められる夫婦像も今とは大分違う。そんな異なる夫婦像を描いた作品を評論家大矢博子が、身分が異なる夫婦を3作。武家の夫婦、歳月を重ねた老人夫婦など6作品を選んで本にした作品集。どの作品も読みごたえがあったが、やはり私が大好きな泣かせの浅田次郎の「女敵射」が印象に残った。

 この作品は、浅田次郎の面白いつぶやきから始まる。人の名前は時代によって大きく変化してきた。戦前までは女性の名前で「貞子」という名がけっこうみられたが、戦後では「貞子」という名前はだんだん消え、今はまったく見られなくなった。

 主人公の吉岡貞次郎は、国元に帰れず二年半も江戸屋敷に滞在していた。そんな時、国元から幼馴染でお目付け役の稲川左近が江戸にやってきた。その左近が言う。貞次郎の妻ちかが商人の男と密通をしていると。そして、一緒に国に帰って、密通しているところに忍び込んで、2人を殺そう、つまり女仇討ちだ。当然江戸時代では、密通している男と妻を刺し殺しても、罪にはならない。

 江戸時代の武士の結婚は年齢が若くして行われる。貞次郎は21歳。妻のちかは16歳。どちらも、まだ恋や愛などは、全くわからない状態で結婚させられ、本当に、愛し合っているかわからないまま、一生添い遂げることが求められる。

 貞次郎には江戸に妾がいた。貞次郎とちかの間には、子供が無かった。ところが、妾との間には千太郎という男の子があり、貞次郎は不貞を働いている妻を殺し、千太郎を自分の子にして妾は捨てることを決める。

 果たして、貞次郎は密通場面を目の当たりにして殺害でき、千太郎を自分の子にできたか。そうはいかないよね。だって作者が浅田次郎だもの。

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はなとゆめ+猫の本棚
はなとゆめ+猫の本棚 さん本が好き!1級(書評数:6401 件)

昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。

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