note主催の創作大賞というものがあるそうです。最近読んだもう一つのエッセーも同じ賞に入っており、応募数や受賞点数が多いのですかね。まあ、本著でのデビューのきっかけで貢献しているので、よかったと思います。面白く楽しめるエッセーでしたし。
第一話、古生物学者の夫。エッセーコンテストで入賞した作品で、この本の発行につながったという、かなり楽しめる一本です。変人の夫を観察し、面白おかしくつっこみつつ、受け入れて生活していくという内容なので、こころが温まるんですよね。心地よい作品です。
旦那さんの専門はアンモナイト。山に入って化石を採取したり、新種の論文を書いて学会で発表したりしています。実際研究者の間では、あそこのあのアンモナイト、たぶん新種だよねという情報が流れているそうです。しかし論文にするには、新種であることの証明だけでなく、進化の過程や環境との結びつけなど多面的な考察が求められるので、なかなか骨の折れる仕事のようです。だから誰かが論文に取りかかって周辺情報を集め出すとすぐに情報共有され、新種発見の競争にはならないそうです。意外でしたね。
アンモ君の夫とじゃれあいながら生活している著者。うさぎの関根とのやり取りや、これまでの習い事、過去の仕事の経験など、身の回りのネタが中心で、馴染みやすいですね。子どもの頃から作文が得意だったようで、何かを書く人になりたいと思いつつ、なかなか進まなかったとのこと。
旦那さんに言われて、ようやく重い腰が上がりました。つまり自分が何かを書きたかったのではなく、旦那さんの希望を叶えるために書くことがモチベーションになったのです。それから数年エッセーを書き続け、ようやくこの本がまとまりました。
充分面白かったですよ。
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